7月1日・3日・5日

 理由はわからないが、今朝の歩廊は妙に混雑していた。と云っても、座り損ねるということはない。席には余裕がある。滑り込んできた車両に乗り込み、任意のスペースに腰をおろした。

 発車と同時に本を読み始めた。田中光二の『大追走』(角川文庫)である。池袋の古書店○○座で購入したもの。奥付には「昭和五十七年十二月二十日 初版発行」と記されている。37年前の商品というわけ。

 当時の俺(7歳)は、何を考え、何を楽しみにして、日々を過ごしていたのだろうか?記憶の断片さえ、俺の脳には残っていない。全ては忘却の彼方に消え去ってしまった。取り戻す方法はないし、取り戻したいとも思わない。


 今日のAランチは、ママゴト風コロッケだった。日替わり小鉢は切り干し大根の煮物。コロッケ消滅後、残った飯に実の少ない味噌汁をぶっかけ、ザバザバと流し込んだ。水分補給後、休憩場所へ移動した。

 長椅子に座り、大追走の続きを読んだ。読後、約十分仮眠。眼を覚ましたところに、睡魔の不意討ちを浴びて、再び眠りの滝壺に落ちた。


 地元駅下車。ラジオのニュースを聴きながら、アパートを目指した。話題は「商業捕鯨の再開について」であった。弁当屋に寄り、幕の内を受け取った。坂道を下り、スーパーに足を進めた。鮮魚売場に行き、刺身を篭に入れた。酒類売場に行き、缶入り酎ハイを篭に入れた。レジに運び、代金を払った。


 帰宅後、腕立て伏せをやった。浴室に入り、温水を浴びた。居室に行き、愛機を起動させた。食後に緒形拳主演の『炎熱商人』を観るつもりである。


♞先週呑んだ宝酒造の「樽が香る焼酎ハイボール」はなかなか良かった。


 駅から職場まで、徒歩で移動した。途中、サン*ルクカフェに寄った。レジに行き、代金を払った。カウンター席に座り、窓外の風景を眺めながら、ダマ*ドチョ*クロなるものを食べた。コーヒーを飲みながら、大追走第二章「紅い獣は放たれた」を読み始めた。

 本を閉じ、カフェを出た。ラジオの情報番組(のスポーツコーナー)を聴きながら、長い坂を下った。今朝の話題は「球団応援歌の『おまえ問題』について」であった。ロッカールームに直行し、私服から仕事着に着替えた。


 食後の一杯(氷水)で喉を潤してから、休憩場所に足を進めた。利用者は一人もいなかった。万歳。長椅子に腰をおろし、紅い獣の続きを読んだ。

 読後、約十分仮眠。覚醒一分後に再び眠り込んでしまう。体が睡眠の不足を補おうと必死になっているのがわかる。自販機で購入したカップコーヒーを飲んでから、午後の職場へ向かった。


 帰りの電車の中で第三章「追走街道」を読み終えた。日本の風土には馴染み難いカー・アクションを敢えて題材に選ぶあたりに、田中先生の意欲と自信を感じる。家に戻り、ナックファイブ(を録音したテープ)を聴きながら、腕立て伏せをやった。浴室に入り、温水を浴びた。食後に浅野忠信主演の『ロング・グッドバイ』の第1話を観る予定である。原作レイモンド・チャンドラー。


♞今宵の酒はトリスハイボール。酒肴は枝豆と赤(い体色の)エビの刺身。


 枕時計が「朝の7時30分」を示していた。起きざまに、顔を洗った。自室を出て、所定の場所に「燃えるゴミ」を詰めた袋を置いた。引っ越し当初はよくわからなかったゴミの分別も、近年は無意識で可能になった。それだけ、時が経ったということでもある。

 洗面所に入り、石鹸と水で手を洗った。台所に行き、電気ケトルにミネラル水を注いだ。窓外は曇天。沸き立ての湯で即席コーヒーを淹れた。昨夜、近傍のパン屋で買ったチョコドーナツを齧りながら、熱いやつを飲んだ。


 居室に行き、愛機を起動させた。メクるを呼び出し、四日分の日記を転載した。その後、草小説の続きを書いた。スライムの夜の「おまけ」である。事前に文案を練っておいたので、比較的サクサクと書き進めることができた。とは云うものの、一人称の文章は難しい。原則として「主人公が見たもの」しか書けないからである。投稿後、シャットダウン。


 午睡を堪能してから、身支度を整えた。駅前の両替屋(銀行)に行き、現金を補充した。これが一週間分の生活費になる。帰路の途中、コンビニに寄った。書籍売場の棚に豪ちゃんの怪作『バイオレンスジャック』が並べられていた。大好きなマンガのひとつだ。東京滅亡編とスラム街編が特にオススメである。家に戻り、腕立て伏せをやった。その後、浴室に入り、温水を浴びた。


♞今宵の酒は「いいちこ」の水割り。飯はカニクリームコロッケ弁当。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る