第235話 オーガ討伐

 バッケンハイムを襲ったオーガの群れは、昨晩、夜の闇に紛れて街に侵入。

寝静まっている家を襲って、住民を攫って行っていったそうです。

襲われた家の中は、めちゃめちゃに荒らされた上に、天井まで血飛沫が飛び散っていたそうです。


 深夜に響き渡ったオーガの咆哮と住民の断末魔の絶叫で、近所の人達は生きた心地もしなかったようです。

 襲われた家の近くに暮らしていた冒険者が、剣を片手に向かっていったものの、帰って来ていないそうです。


 地面には血の跡が残されていて、街の南側に広がる耕作地の先にある森へと向かっていました。

 森を捜索してオーガを討伐すべきという意見も出されましたが、深夜の襲撃とあってオーガの数が分からないために、必要な戦力の算定が出来ず中止されました。


 そして、月が西へと傾いて日付が変わろうとする時間、僕はバッケンハイムの南西の街外れに立っています。


「グラシエラさん、昨晩襲撃があったなら、今夜は来ないかもしれませんよ」

「いや、昨夜は殆ど抵抗される事も無く、獲物を手に入れられたのだ。奴らは味を占め、我々人間を舐めきって、今夜も現れるに違いない」

「でも、こんなに篝火が焚かれていたら、警戒して近付かないんじゃないですか?」

「いいや、奴らは集団で襲って来たからな。単独ならば警戒もするだろうが、数に驕って現れるに違いない。と言うか、さり気無く私を風除けに使っていないか?」

「そ、そんな事はある訳無いことも無くないですよ……」


 ちぇっ、バレちまったら仕方ない……てか、西風が寒いんですよね。

 襲撃された家から一番近く、血の跡が残されていた真上に僕らは陣取っています。

 僕と『鬼喰らい』の二つ名を持つグラシエラさん、そして、以前バッケンハイムに来た時に、待ち伏せを仕掛けてきた『蒼き疾風』の面々が一緒です。


「まぁ、今回の騒動は、ヴォルザードを拠点とする君には関係のないことだし、風除けぐらいはいくらでも務めるが、どうにもSランク冒険者には見えないな」

「そうでしょうね。僕自身、自分を鏡に映してみても、とてもSランクには見えませんからね」

「まったく、Sランクに見えないと言っても、反論されるどころか同意されてしまったら拍子抜けだぞ」

「そう言われても、それは僕の責任じゃないですよね」

「はぁ……ところでケント、君は眷族を使わずに、自分の手でオーガを討伐したことはあるのかね?」

「ありますよ。魔の森で倒しました」

「ほう……それは意外だな。一日最高で何頭倒した事があるんだい。私は四頭というのが最高だ」


 話をしながら、グラシエラさんは誇らしげに胸を張ってみせました。


「ちゃんと数えて倒したのは、ロックオーガを含めて七頭ですかね」

「な、七頭だと? それを一人で倒したのか? 眷族の力も借りずにか?」


 聞き耳を立てていた『蒼き疾風』の面々も、七頭という数字に驚いているようです。


「ハッタリに決まってる。一人で七頭のオーガを相手にしたなんて信じられるもんか!」


 僕とグラシエラさんの話に割り込んで来たのは、初めてバッケンハイムを訪れた時に絡んできたフィルだか、ファルだか言う冒険者です。

 そう言えば、待ち伏せの後に仲間からボコられられたはずですが、あんまり懲りてなさそうですね。


「どうなんだ、ケント。私も、さすがに七頭という数字には疑問を抱いてしまうが……」

「別に信じたくないなら、信じなくても構いませんよ」

「君の体格でオーガを七頭も倒すとなると、やはり攻撃魔術を使ったのか?」

「そうです。その当時は、木剣しか握ったことがありませんでしたから……って、良く考えたら、今でも自分の剣とか持ってないや」

「君は武器も持ち歩かないのか? 術士タイプの冒険者でも剣や槍は持っているものだぞ」

「一応、護衛の仕事とかで街を離れたりする時は、ナイフぐらいは持ち歩きますけど、普段は持ってないですね。それこそ必ず眷族は一緒ですから」


 眷属が一緒に居ると聞いて『蒼き疾風』の面々は、ビクリとして周囲を見渡し始めました。


「ふむ……マスター・レーゼやラウ氏が認めるのだから、間違いはないのだろうが、私は自分の見たものしか信じない性質なのでな」

「そう言われても、今回、僕はオブザーバーですから手出しはしませんよ」

「仮に、仮に君が討伐をする立場だったら、どうやってオーガを倒す?」

「近付いて来る前に、攻撃魔術を撃ち込んで終わりですね」

「避けられたらどうするのだ?」

「避けられたらですか……どうしましょうかねぇ……でも、避けられないと思いますよ」

「ほぅ、大した自信だな。冒険者にとって、過信は一番の命取りになるのだぞ」

「でしょうね。これでも何度か死に掛けてますから、分かりますよ」


『蒼き疾風』と同じ場所に配属されると知ってから、念のために闇の盾はいつでも出せるようにしていますし、影の中からはフレッドが目を光らせています。

 と言うか、ネロを除いた眷族のみんなは、自分の出番は無いのかと、影の中でウロウロしてたりするんですよね。


「うーっ……それにしても寒いですよねぇ。やっぱり今夜は来ないんじゃないですか?」

「はぁ……オブザーバーとは言え、あまりやる気を削ぐようなことは言わないでくれないか?」

「すみません。でも、手出し禁止とか言われちゃうと、やる気出ないんですよねぇ……駄目だ、やっぱり寒すぎる。マルト、ミルト、ムルト、おいで」

「わうぅ、ご主人様、呼んだ?」

「うん、みんなで囲んで暖めて」

「わふぅ、任せて、任せて」

「うちも、あっためる!」


 西風が冷たい過ぎるので、マルト達を呼んでプチおしくらまんじゅうで暖まることにしました。


「主殿、風避けならば我々が……」

「そうしたいんだけど、ゼータ達が居るとオーガが寄って来ないかもしれないからね」

「ならば、我々が一っ走りオーガを根絶やしに……」

「そうしたいのも山々なんだけど、今回は我慢しててね」


 鼻面だけ出したゼータ達を順番に撫でて宥めました。

 ちなみにネロは、ぐてぇーっと寛いで、働く気はゼロのようです。


「ケント、今のは……」

「ギガウルフの眷族ですよ。ブランよりも二回りぐらいは大きいですかね」

「君は、一体何頭の魔物を使役しているのだ?」

「使役しているんじゃなくて、僕らは家族と同じです。スケルトン三体、リザードマンが五頭、コボルトが三十三頭、ストームキャットが一頭、ギガウルフが三頭ですけど、一部はヴォルザード周辺のパトロールを行っているので、全員は揃いませんよ」

「ご主人様、お腹撫でて」

「うちも、うちも……」


 うんうん、マルト達のおかげで寒さは凌げそうですね。

 眷族の数を聞いたグラシエラさんや『蒼き疾風』の面々は、まるで怪物でも見るような目を向けています。


 そうそう、僕にチョッカイ出すと、眷族にガブってやられちゃうよ。やらないけど……。

 マルト達に囲まれてヌクヌクしていると、バステンが報告してくれました。


『ケント様、オーガが森を出ます』

『数はどのぐらい?』

『およそ十五頭ぐらいですね。そのうちロックオーガは二頭です』

『了解、ありがとう』


 バッケンハイムの南側には耕作地が広がっていて、麦や芋などが栽培されているそうです。

 今は、麦は刈り取られた状態なので、一部の葉物野菜を育てている場所を除けば、森まで良く見渡せる状態です。


 ですが、今夜は月が雲に隠れているので、普通の人では篝火が照らす先までは見渡せないでしょう。

 街から森までは、距離にして二、三キロといったところで、バステンの知らせを受けて十分ほどするとオーガの姿が見えました。


「グラシエラさん、オーガが来ますよ」

「なにぃ、本当か?」

「えぇ、ほら、もう見えてます。数は十五頭ぐらいです」

「えっ、どこだ、どこに居る?」

「真正面ですよ。こっちに向かって来てますよ」

「この暗さでも見えているのか……おいっ、投光機を点けろ!」


 大型の魔道具の光が闇を照らし、畑を突っ切って近付いてくるオーガ達の姿を浮かび上がらせました。


 同時に呼子笛が吹き鳴らされ、周囲に居る冒険者達にもオーガの接近が知らされました。

 マルト達には、影の中へと戻ってもらいました。


「指揮は私が行う! 術士は詠唱を始めろ。弓士、矢を番えよ!」


 グラシエラさんが声を張り上げ、集まって来た冒険者達が迎撃体制を整えます。


『ケント様、別の群れが西から来ます。数は十頭ぐらい』

『分かった』


 人間を舐めて掛かるどころか、ちゃんと考えている辺り、手強い群れかもしれませんね。


「グラシエラさん、西から別の群れが来ます。数は十頭程度」

「何だと、投光機を西に向けろ! 馬鹿、全部を向けるな! 正面も照らせ!」


 投光機の一部が向けられると、気付かれたと悟ったオーガ達が雄叫びを上げました。


「うぼぉぁぁぁ!」

「うぼぁぁぁうぼぉぉぉ!」


 咆哮を交し合ったオーガは、南から接近していた群れは東寄りに、西から接近していた群れは北へ進路を変えて二手に別れて走りだしました。


「何だと、奴ら、何処へ行く気だ」

「おいっ、グラシエラ、どうすんだよ?」

「第一隊から第七隊が東の群れを! 残りで西の群れを叩く! 街に入らせるな!」


 一旦集合しかけた冒険者と警護隊の面々が、慌てて配置を変更するために動き出しました。


「もたもたすんなよ、早く進め」

「うっせぇ、押すんじゃねぇよ、馬鹿」

「よせ、投光機が……」


 ヴォルザードで魔物の討伐を何度か見てきましたが、バッケンハイムは慣れていないのか、全体の動きがたどたどしく感じます。

 もっとも、ヴォルザードの場合は、面で守っている所に、面で襲って来る感じですから、移動するまでもなく全体が戦っている感じでしたけどね。


 今回も変に密集せずに、戦いが始まった時点で取り囲むとか、後方から支援する形の方が混乱しなかったように感じます。

 二手に分かれたオーガの群れは、疾走を続けて冒険者達を置き去りにして街に入り込もうとしているようです。


 グラシエラさんと『蒼き疾風』の面々は、西の群れの迎撃に向かいましたが、僕はその場に残って両方の様子を見させてもらいます。


『ケント様、このままでは街に入り込まれてしまいますぞ』

「だよねぇ……」


 身体強化の魔術を使っているらしい冒険者が追いすがっていますが、オーガの疾走は速く、多くの者が追い付けずにいます。

 それに加えて、夜目が利くオーガは平然と走っていますが、迎撃側は躓いて転倒する者が増え、次々と脱落していきます。


『街に入り込まれれば、市民に犠牲が出ますぞ』

「レーゼさんには手出し無用って言われたけど、このままにも出来ないよねぇ……」


 影に潜って東に向かった群れの前に先回りして、向かって来るオーガの群れの前に、大きな闇の盾を出しました。


「ブゥガァァァ……ガフゥ……」


 突然現れた闇の盾に、オーガは勢い良くぶつかって、バタバタと倒れました。

 これだけ足止めしてやれば、冒険者達が追いつけるでしょう。


 続いて、西から北へと回り込もうとしているオーガの群れの前へと移動し、先ほどと同じように闇の盾で行く手を遮ってやりました。


「オーガが止まったぞ、今だ、術士と弓士は撃て! どうした、術士……」


 グラシエラさんが攻撃の命令を下しましたが、そもそも身体強化が得意でない術士は追い付いていません。

 グラシエラさんのことは良く知りませんが、普段は単独で活動するタイプで、こうした集団での戦いには慣れていないような印象があります。


 まぁ、オーガの方も結構な勢いで闇の盾に衝突して、すぐには起き上がってこないみたいですけどね。


「ウバァ……ウボォアァァァァ!」


 追い付いて来た術士や弓士が、散発的に攻撃を仕掛けると、オーガも覚悟を決めたのか、雄叫びを上げながら向かって来ます。


「散開しろ! 真正面からぶつかるな! いくぞ!」


 指示とも言えない程度の命令を下すと、グラシエラさんは待ちきれないとばかりにオーガに向かって行きます。

 うん、猪突猛進って言葉がピッタリする人だよね。

 たちまちオーガと冒険者が入り乱れての乱戦となりました。


『ラインハルト、ここまで見てどう思った?』

『指揮を執る人間も、指示を受ける側も経験不足ですな』

『だよねぇ……もうちょっと手伝った方がいいのかなぁ?』

『まぁ、大丈夫でしょう。人数も揃い始めましたし、致命傷を負う前に、他の者がカバー出来るでしょう』


 確かに、冒険者が窮地に陥っても、別の者が攻撃を仕掛けて気を逸らし、その間に何とか離脱出来ているようです。


『あとは、疲弊して援護が遅れるようにならなければ、どうにかなるでしょうな』

『じゃあ、あとは見物だね』


 乱戦が始まった当初こそ、オーガが冒険者を押し込む勢いを見せましたが、追い付いて来た者達が加わると、次第に形勢は逆転し始めました。

 冒険者達は、まず足止めを狙うように指示されているので、オーガの攻撃をかわしながら足を狙って攻撃を重ねていきます。


 同時に、術士達がオーガの顔面を狙って攻撃魔術を撃ち込みます。

 オーガは、人間よりも遥かに身長が高いので、顔面を狙っていれば味方を攻撃する心配も要らないのです。


 オーガが足元の冒険者を薙ぎ払おうとすれば、火球や水の刃が顔面を襲います。

 術士タイプと騎士タイプの連携は上手くいってるのですが、そうした連携を物ともしない存在が居ます。


 ロックオーガは、攻撃魔術を気に掛けることもなく蹴りを放ち、冒険者がサッカーボールのように飛ばされて行きます。


「囲め! 横と背後から突け! どんなに硬くても攻撃が通らない訳じゃないぞ!」

「ウボォアァァァ……ウバァウボオァァァァ!」


 ロックオーガ一頭だけを群れから引き剥がし、グラシエラさんも加わって十人ぐらいで取り囲んでいますが、足止めするのが精一杯という感じです。


 ロックオーガも深手を負っている様子は見えませんが、冒険者達がまとわり付いているせいで、だいぶイラついているようにも見えます。

 周囲で歓声が上がり、オーガが一頭、また一頭と倒れていきます。


「止めを刺したら、他の応援に回れ、休むのは全部終わってからだ!」


 オーガが一頭倒される度に、他のオーガへの応援が増え、またオーガが倒れる。

 そして、ロックオーガを取り囲む人数も着実に増えていきました。


『どうやら大勢は決したみたいだね』

『そうですが、最後の止めを刺すまでは油断はなりませんぞ』

『そうだとは思うけど、これだけの冒険者が揃っていれば大丈夫でしょう』

『まぁ、そうですな……』


 今やロックオーガは二十人以上の冒険者に取り囲まれて、タコ殴りにされている感じです。

 残っているオーガも三頭ほどで、動きもかなり鈍っているように見えます。


「ウバァァァ……ウボォアァァァ……」


 ロックオーガが咆哮を上げても、仲間の返事は戻って来ません。

 頑丈な身体も、繰り返される攻撃によって血潮に染まりつつあります。


「よーし、もう一息だ、こいつを仕留めて美味い酒を飲むぞ!」

「おぉぉぉぉぉ!」


 包囲した冒険者達が気勢を上げた直後、ロックオーガの顔面に火球が直撃しました。

 後ずさるようによろめいたロックオーガは、身体を捻るように体勢を崩し、四つん這いになりました。


「いまだ! 仕留めろぉ!」

「ウバァァァァァ!」


 倒れたと思ったロックオーガは、まるでクラウチングスタートのように、頭を下げたまま冒険者の包囲陣に突っ込みました。


「うぎゃぁぁぁ!」

「ちくしょう……うわぁ!」

「追えっ! 逃がすな、追えっ!」


 ロックオーガは、手近にいた冒険者を鷲掴みにすると、追っ手に向かって投げ付けました。

 一方の包囲していた冒険者は、内側に腕利きの冒険者を配していたために、周囲の術者が壁になって追跡の一歩が遅れています。


『まだ余力を残してたんだね』

『ロックオーガともなると、止めを刺すまでは油断出来ません。それよりケント様、このままでは逃げられますが……』

『うーん……取りあえず、打ち手側が諦めるまで待って、その後は倒しちゃおうか』

『手出し無用と言われましたが、よろしいのですか?』

『うーん……じゃあ、コボルト隊に見張らせておいて。レーゼさんに聞いてからにするよ』

『了解ですぞ』


 どうやら西側に向かった群れからも、ロックオーガが一頭逃走したようなので、そちらの追跡も頼んでおきました。

 表に出てみると、冒険者の間には微妙な空気が漂っていました。


 オーガに止めを刺した者は、喜びを抑え切れない様子ですが、ロックオーガに逃げられた者達は悔しさを噛み締めています。

 グラシエラさんも、苦虫を噛み潰したような顔をしていました。


「一頭、逃げられちゃいましたね」

「ケント、君は今までどこに居たんだ! 逃げたと分かったら、どうして手助けしてくれない!」


 声を掛けるとグラシエラさんは掴み掛かって来ました。

 襟首を捕まれると、足が浮きそうになりますね。


「マスター・レーゼからは手出し無用と言われてますからね。最初からオブザーバーだと言ったじゃないですか」

「君や使役する魔物なら、ロックオーガを倒せたのではないのか?」

「はい、出来ましたよ」

「なら、どうしてだ!」

「僕は討伐の依頼は受けてませんし、助けてくれとも言われてません。手出しして構わないならば、皆さんがオーガの姿を見る以前に全部倒してます。これは、皆さんの仕事じゃないんですか?」

「くっ……確かにそうだが、ロックオーガを逃がしたままでは、明日以降も警戒を続けねばならんのだぞ」

「だったら、最初から、自分達の手に負えなくなったら倒してくれと頼んでくれれば良かったんですよ。それより、重傷の人がいるんじゃないですか? 命の危険がある人は治療しますよ」

「何だと……君は治癒魔術も使えるのか?」

「疑うくらいなら、やらせた方が早いですよ。てか、最後にやられた人、結構マズいんじゃないですか?」


 ロックオーガが包囲を破った時に、倒れたところを踏まれた人と、サッカーボールのように蹴り飛ばされた人は、内臓にダメージがあるようで危険な状態でした。

 二人とも冒険者とあって、元々の体力があるので、治癒魔術を掛ければ簡単に回復させられました。


 血反吐を吐いて死に掛けていた仲間が、むくりと起き上がったので、周りを取り囲んでいた人達からは驚きの声が上がりました。


「凄いな……これほどの治癒士はバッケンハイムにも数えるほどしか居ないぞ」

「まぁ、緊急ですからサービスしておきますよ。他の方は、自分達で何とかして下さい」

「感謝する。正直、この二人は駄目かと思っていた」

「じゃあ、僕はマスター・レーゼの所に報告に行きますので、後は任せますね」

「了解した」


 集まった冒険者達の注目を浴びながら、闇の盾を潜って影に潜りました。

 さて、マスター・レーゼに報告して、ヴォルザードに帰りますかね。

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