第197話 駆け出しの冒険者

 幸いな事に、スラッカでの足止めは、一日だけで済みました。

 バッケンハイム側からマールブルグ側へ謝罪が行われ、賠償の請求にも応じる約束が交わされたので、検問所の通行が再開されました。


 ヴォルザード家の馬車が検問所を通る際には、バッケンハイムの守備隊員だけでなく、マールブルグの兵士からも敬礼を送られました。


「どうやらマールブルグにもケントの活躍が伝えられたようだな」

「えっ、そうなんですか?」

「ヴォルザード家の馬車だから、通過する際には検問所の担当者が敬礼を送って来るが、今日のように検問所に駐屯している全員が整列して敬礼して来ることは無いぞ」

「でも、アウグストさんも暴動の鎮圧には貢献してますし、僕だけにじゃないですよ」

「そうか、ならばそういう事にしておこう」


 アウグストさんが暴動を止めに入った時には、ちゃんとバステンとツーオ、カーメが影から護衛に付いていました。

 何でも宿を出る前に、アウグストさんの方から声を掛けて、事前に護衛の打ち合わせをしていたそうです。


 こうした機転は、やはり父親であるクラウスさん譲りなんでしょうね。

 この日は朝から雲が空を覆い、雨は降らないものの日差しが届かず、冷え込みが厳しくなっていました。


 御者台は、馬車の前後を見渡せるように、高い位置に設えられています。

 見晴らしは良いのですが、風を遮る物が何も無いので、着実に体温が奪われていきます。


 影収納から毛布を取り出して、風を避けるように包まりましたが、それでも体温が奪われていきます。

 かくなる上は最後の手段、毛布に包んで馬に悟られないように注意しつつ、足の間にムルトを召喚しました。


 モフモフのムルトが、お腹の部分の風を遮ってくれるので、かなり助かりました。

 それでも吹きさらしの顔が痛くなって来ます。

 やっぱり鷹山と場所を代わってもらっちゃいましょうかね。


 気温こそ低かったものの、何事も無く順調に馬車は進んで行きます。

 スラッカを出る時には、デュカス商会の馬車も出発を待っていましたが、良い護衛が雇えたでしょうかね。


「デュカス商会って、大きな店なんですかね?」

「マールブルグでは中堅の上位といったところかな。ただ規模としてはヴォルザードのオーランド商店よりも大きいはずだよ」


 ヨハネスさんの話では、デュカス商会は主に鉱石を扱う店で、まだ歴史は長くないそうですが、今の会長が敏腕らしく、この五年ぐらいの間に急成長を遂げているそうです。


 今の勢いを維持していけるのであれば、大手の仲間入りをするのは確実だと言われているらしいです。


「鉱石を扱う商会じゃあ、ヴォルザードにとっては商売仇じゃないんですか?」

「ヴォルザードのダンジョンでは、マールブルグの鉱山には無い鉱石が採掘出来るし、逆にマールブルグにしか無い鉱石もあるから、あまり商売仇という感じではないよ。それに、本拠をヴォルザードに置くにしても、将来有望と目される商会と繋がりを持っておくのは悪い事ではないよ」


 ヴォルザードにあるダンジョンは、金や銀、宝石などの他に銅や鉄などの鉱石も産出するそうですが、安定した量が採れる訳ではないそうです。

 マールブルグは、ダンジョンではなく鉱山なので、産出する鉱石は限られてしまいますが、鉱脈が尽きない限りは安定した量の採掘が出来るそうです。


「マールブルグで採れる鉱石って何が主なんですか?」

「一番の主流は鉄鉱石だね」

「えっ、じゃあデュカス商会の商品も鉄鉱石が主なんですか?」

「そうだね。新しい鉱脈を掘り当てたと聞いているよ」

「うわぁ、それじゃあ思いっきり商売仇になりますよ」

「えっ、何でだい? ヴォルザードのダンジョンでは、あまり鉄鉱石は採れないよ」

「あぁ、そうか、ヨハネスさんはバッケンハイムに居たから、僕が持ち込んだ鉄の話は聞いていないのか……」

「ケントが鉄を持ち込んだって……どういう事なんだい?」


 僕が元の世界との行き来が可能で、日本の鉄は、こちらの鉄よりも遥かに純度が高いという話をすると、ヨハネスさんも理解出来たようです。


「なるほど、それほどの高純度の鉄を大量に持ち込んだんじゃ、ヴォルザードは買う側から売る側へと立ち位置を変える事になるし、マールブルグとの関係にも少なくない影響を与えるはずだね」


 これまでは仕入れる側だったヴォルザードが、突然売り手側へとシフトするのですから、これまで鉄を納入していた側は驚くでしょうね。

 通常、鉄器を作る場合には、マールブルグなどから仕入れた鉄鉱石から、鍛冶の技術と土属性魔術を組み合わせ、鉄を抽出する事から始められるそうです。


 いわゆる精錬という作業になりますが、この作業には手間と時間が掛かるので、最初から高純度の鉄を手にできれば、鍛冶師は大幅に手間を省けます。

 となると、僕が持ち込んだ高純度の鉄を高く売るのか、従来のものを安くするのかが問題になりますよね。


「まぁ、クラウス様ならば、あまり角が立たない落し所を見つけると思うが、それもマールブルグが今のコストを維持出来ればの話だな。産出量が減ったり、作業員達が賃金の値上げを要求してくれば、コストの意味での優位性も失われてしまうだろうから、やはり対立は避けられないのかな」


 日本よりも相対的な価値が高い鉄で支払いをしてもらえば、日本政府の負担も減るし、ヴォルザードにとっても利益になると考えていたのですが、やはり物事は、そんなに単純には運ばないのでしょうね。


 今回、僕がバッケンハイムまで行った目的は、道中でのラウさんによる修行でしたが、ヴォルザードから鉄を影移動を使って運搬するための下準備でもありました。


 こちらの世界での鉄の流通量までは分かりませんが、マールブルグにとってバッケンハイムは大口の顧客だそうですから、それをヴォルザードが奪うような事態となれば、当然軋轢が生まれるでしょう。


「うーん……やっぱり、あまり日本からは物を持ち込まない方が良いのかなぁ……」

「その辺りの匙加減は、クラウス様やアウグスト様に任せれば良いんじゃないか? こちらの事情に詳しく無いケントが、一人で考えるのには限界があるだろう」

「そうですね。一度機会を見つけてクラウスさんに話してみます」


 イロスーン大森林を通り抜けて行く旅人の多くは、馬車を利用して移動します。

 移動の速度が早いのは当然ですし、馬車には必ず護衛が付き、魔物や野生動物に襲われた場合でも守ってもらえるからです。


 ですが、歩いて旅をする人も少数ですが存在しています。

 その多くは、自分の腕に自信があったり、旅費を節約したいと考える冒険者達です。


 例えば、マールブルグからバッケンハイムまでの護衛を請け負ったとします。

 契約の内容によっては、帰りの旅費も含んだ報酬が提示される場合もありますし、片道分の報酬しか出されない依頼もあります。


 依頼を出す方でも、重要な人物や大切な品物の運搬となれば護衛にも費用を掛けるでしょうし、単価の安い品物の運搬ともなれば、出来れば報酬を節約したいと思うからです。


 護衛を請け負う冒険者も、重要な品物には腕利きが雇われ、経費を節約したいと思う依頼には駆け出しの冒険者が雇われるというのが自然な流れです。

 つまり、歩いて森を抜けようとしているのは、片道の護衛を終えた後の駆け出しの冒険者、もしくはお金に余裕の無い冒険者という事になる訳です。


 街道を走る馬車は、歩行者を見つけたら鐘を鳴らして接近を知らせます。

 鐘の音を聞いた歩行者は、馬車の通行を妨げないように、道の外に出て避けるのが慣例となっています。


 これは、馬車に乗っている者の方が、身分が高かったり、金持ちだったりするからです。

 ヴォルザード家の馬車も、時折鐘を鳴らしながら、冒険者風の若者を追い抜いて行きます。


 今日は向かい風が強いので、追い越される冒険者達は羨ましそうな顔で馬車を見送っていました。


「御者台は寒いとか贅沢な事を考えていましたけど、歩いて旅する人に較べれば、ずっと楽してますよね」

「確かに、その通りではあるけれど、寒いのは寒いぞ。早く昼の休憩をする集落に着いて、暖かいスープにありつきたい。馬の世話はシューイチに任せよう」

「そうですね。大賛成です」


 ぬくぬくとキャビンの中で寛いでいるのだから、昼の馬の世話は全て鷹山に押し付けてしまおうと、ヨハネスさんと笑いながら決めました。

 昼の休息の後、馬車は再びイロスーン大森林を貫く街道をひた走ります。


 寒さが厳しい分だけ、馬達が暑さで消耗しないので、ここまでは順調に進んでいました。

 予定では、今日の夕方にはイロスーン大森林の出口へと辿り着けるはずです。


 ヴォルザード家の馬車は、午後も順調に進んでいたのですが、先行して偵察をしていたイルトが戻ってきて報告しました。


「わぅ、ご主人様、この先で冒険者が狼に襲われてます」

「狼?」

「ケント、恐らくフォレストウルフだろう。集団で人を襲うことがあるが、魔物じゃなくて野生動物だ。このまま馬車で近付けば、逃げて行くから大丈夫だ」

「分かりました」


 木立に囲まれた場所を抜けると、緑色の毛並みをした狼たちに囲まれた三人ほどの人影が見えました。

 ヨハネスさんが、馬車の接近を知らせる鐘を鳴らすと、フォレストウルフ達はこちらを振り返った後、森の中へと姿を消しました。


 フォレストウルフは、なかなか頭の良い狼だそうで、普段は鹿などの動物を狩って暮しているそうですが、街道を歩いている冒険者が弱そうだと見ると襲って来るそうです。


 ランズヘルト共和国で、『狼に襲われる冒険者』とは、狼にも舐められるヘナチョコ冒険者を指すスラングなんだそうです。

 で、今回のヘナチョコ冒険者は、男二人に女が一人のパーティーのようで、歳は僕より少し上といった感じでしょうか。


 少しメタボな少年と、背が高くガッチリしたマッチョな感じの少女、それと線の細い小柄な少年の三人は、どうやら狼にあちこち齧られているようです。


「だから、ここだけでも馬車に乗ろうって言ったのに」

「何よ、あたしが悪いって言うの?」

「だって、歩いて行こうって言ったのはスーザじゃないか」

「仕方ないじゃないのさ、旅費を節約しないと儲けが無くなっちゃうんだからさ」

「それは、スーザとブラーウが食べすぎなんだよ」

「何言ってんのさ、あたしらが食べすぎじゃなくて、スミットが食べなさすぎなのよ」


 スーザと言うらしい少女と、小柄なスミットが言い争いをしている後で、ちょっとメタボなブラーウがオロオロしています。


「あのぉ……大丈夫ですか?」


 道端に停めた馬車の御者台から声を掛けると、くるっと振り返ったスーザはヴォルザード家の馬車を値踏みするような目で眺めた後で答えました。


「どうもありがとう。ちょっと、こいつらが舐められちゃったみたいだけど、問題無いわ」

「スーザ、何言ってるんだよ。頼み込んで乗せてもらおうよ」

「うるさいわね。こういう相手には舐められたら駄目なのよ。向こうから是非乗ってもらおうと思わせないと……」

「そんなの無理に決まってるじゃんか、僕らEランクなんだよ」

「バカ、どうしてランクをバラしちゃうのよ。適当にCランクぐらいって思わせておけばいいのよ」

「そんなの詐欺じゃんか」

「いいのよ、ハッキリCランクだって名乗れば詐欺だけど、そう思わせるだけなら詐欺でも何でもないわよ」


 いやいや、二人とも声を潜めてるつもりかもしれないけど、丸聞こえだからね。


「ヨハネスさん、どうしましょう?」

「いや、乗せないと、またフォレストウルフにやられそうだけど……乗る場所が……」

「ですよねぇ……仕方ない、誰か次の集落まで護衛に付けるか……」


 僕とヨハネスさんが相談を始めると、乗せてもらえるのかと期待のこもった視線を向けて来ますが、こんな得体の知れない連中を乗せる訳にいかないからね。


「ヨハネスさん、ちょっと先に行ってもらえますか、すぐに追いつきますから。ムルト、ここに乗っていてね」


 僕一人が降りて、馬車が再び動き出すと、三人はあからさまにガックリとしています。

 三人を代表してか、スーザが頭をボリボリ搔きながら話し掛けてきました。


「で、あんた一人が降りてどうしようっての?」

「次の集落まで護衛を付けてあげようかと思ってね」

「はぁ? あんたが護衛? フォレストウルフの餌が増えるだけじゃないのよ。ほら、どうすんのさ!」


 ヴォルザード家の馬車が遠ざかって行くと、森の中に姿を隠していたフォレストウルフの群れが戻って来ました。

 僕が増えたのを警戒しているのか、一気に襲い掛って来ず、遠巻きに様子を窺っています。


 一匹、二匹と数が増え、離れた場所で街道を渡り、徐々に包囲の輪を縮めているようです。


「へぇ……本当に頭が良さそうだね」

「ちょっと、あんた。呑気にしてると本当に食われるわよ。あたしらは、あんたまで守る余裕なんか無いからね」


 スーザは大振りのナイフ、小柄なスミットは弓を、メタボなブラーウは槍を構えて緊張した表情を浮かべています。


「ちょっと、あんたも準備しなさいよ。マジでやられるわよ!」


 フォレストウルフは、少しずつ、少しずつ包囲の円を縮めて、跳びかかるタイミングを見計らっています。


「グリーンの毛並みかぁ……なかなか良いけど、魔物じゃないから眷族にするのは無理かな。ゼータ……おいで!」


 自信に満ちた表情で、さぁ跳びかかろうとしていたフォレストウルフの群れの前に、ゼータが飛び出して来て一声咆えました。


「うわぅ!」

「ぎゃん……きゃぃん!」


 突然現れたゼータに驚いて、フォレストウルフ達は飛び上がるようにして後退りすると、猛ダッシュで森の中へと姿を消しました。


「うんうん、いいよゼータ、ばっちりだよ……」

「ありがとうございます、主殿。ですが、こちらが……」


 フォレストウルフは追い払ったのですが、三人組が揃って腰を抜かしています。


「あ、あぁぁ……た、食べないで……」


 強気に見えたスーザでしたが、目玉が落ちそうなほどに目を見開いて、ガタガタと震えています。


「この子は、僕の眷族のゼータだよ。危害を加えたりしないから安心して」


 耳の後ろをワシワシと撫でてあげると、フサフサの尻尾をブンブン振って目を細めています。


「今見た通り、ゼータは自由に影の中を移動出来るから、君達が次の集落に辿り着くまで、影の中から見守らせるから安心して。頼むね、ゼータ」

「お任せ下さい、主殿」

「ギガウルフが喋った……」

「次の集落までは見守らせるけど、そこから先は面倒見ないよ。ちゃんと自分達で考えて行動してよね。強がって格好付けて助けてもらえなかったら、食われて終わりだったんじゃないの? みっともなく頼み込んででも助けてもらうべきだし、儲けと命とどっちが大事なんて、言うまでもないよね」


 偉そうな事を言ってるけど、僕も結構な無茶はしてきました。

 ただ、それが出来たのは眷族の皆が居たからだし、自分達しか居ない彼らは、もっと慎重になるべきだよね。


「じゃあ、僕は護衛の仕事があるから失礼するね」


 ゼータの肩をポンポンと叩いて、闇の盾へと潜ろうとしたら、小柄なスミットに呼び止められました。


「ま、待って! あの……ありがとうございました。お名前を教えてもらえませんか?」

「僕? ヴォルザードの冒険者、ケントだよ。じゃあ……」

「あの! ランク……ランクは?」

「Sランク」


 信じられないという表情を浮かべた三人を残して、ゼータと一緒に影に潜りました。

 ゼータに三人の見守りを頼み、僕はムルトを目印にして影移動で馬車へと戻りました。


「戻りました、ヨハネスさん」

「おぅ、分かっていても、急に現れると驚くな。三人はどうした?」

「馬車が離れたら、またフォレストウルフが近付いて来たので、引きつけておいてギガウルフのゼータを呼び出して追い払いました。そのままゼータに影の中から三人を、次の集落に着くまで見守るように言ってあります」

「そいつはまた……大サービスじゃないか」

「ゼータを呼び出した時に、三人とも腰抜かしてましたから……少しは懲りたかと……」

「まぁ、あのぐらいの歳の冒険者は、どうしても無茶しがちだからな……」


 ヨハネスさんも、何やら事情がありそうな表情を浮かべています。


「イロスーン大森林を抜けたら、残る難所はリバレー峠だけですが、先日山賊を殲滅したから大丈夫でしょう。ヨハネスさんにとっては、久々のヴォルザードじゃないんですか?」

「そうだな。半年ぶりか……訪ねる墓が増えてないと良いんだがな……」


 ヨハネスさんは、四年前からヴォルザード家の兄弟に付いて、バッケンハイムに滞在するようになったそうですが、最初の頃は、里帰りする度に冒険者になった同級生の訃報を知らされたそうです。


「故郷に戻る度に、幼馴染が死んだと聞かされるのは結構辛いものがあったな。最近は、ようやく結婚したとか、子供が出来たという話題の方が増えてきたけどな」

「ヨハネスさんは、冒険者になろうと思わなかったんですか?」

「俺は、上に二人兄が居たんだが、二番目の兄貴が冒険者になって、まだ駆け出しの頃に無茶して死んでしまったから、親から反対されたし、魔力も強くなかったから諦めた」

「そうなんですか……」

「まぁ、冒険者にはならなかったが、こうしてヴォルザードの外に出る機会にも恵まれているし、今の仕事に不満は無いぞ。いや、不満どころか大いに遣り甲斐を感じている」

「ヴォルザード家の執事ですもんね。いずれはアウグストさんの片腕としてヴォルザードを切り盛りしていくんでしょうね」

「さぁ、それはどうかな……アウグスト様は優秀でいらっしゃるし、バルディーニ様もいらっしゃるから、私が手を掛けるのはヴォルザード家の中の事だけだろう。それに、アウグスト様の片腕という意味では、私よりもケントの方が重責を担うんじゃないのか?」

「僕ですか? 僕は……頭を使う仕事よりも、魔物相手の荒っぽい仕事が専門になるでしょうね」

「そうかもしれないが、ヴォルザードという土地柄を考えたら、それはそれで重要な仕事だぞ」

「そうですね。でも、ヴォルザードは僕にとって大切な街ですから、守るのは当然ですよ」

「そいつは頼もしい限りだ。いつかヴォルザードは『最果ての街』から『ランズヘルトで一番安全な街』と言われるようになるかもしれないな」

「そうですね、そうなるように頑張ります」


 相変わらずドンヨリと曇った空の下、ヴォルザード家の馬車は軽快に走り続け、予定通り夕方前にはイロスーン大森林を通り抜けました。

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