第12話・・・クレープその2・・・

そして夜の仕事が終わった後のキッチン場には、

ミラと海夢の姿があった、


そう、今日から1週間は、ミラのお願いで海夢に

クレープ作りを教えて貰うのだ、


ーーーーーーーーー初日ーーーーーーーーーー


「よし、ミラ! 

 今日は卵を綺麗に割れるようにしよう!」


卵を割るのは誰でも出来るような簡単な作業だか、

昨日のミラを見る限り簡単にもいきそうでなかった

すると、冷蔵庫から5つの卵を取り出した、


「じゃ、まず俺がやってみるから見ててくれ、」

そうすると海夢は簡単に、卵を1つボールに割った


「できるか? 

ミラ、俺と同じようにやってみるんだ!」


「わかった、やってみる、」


そう言うとミラは、

卵を手に取って同じように割った、

しかし、ミラの割った卵は昨日と同様に端っこの方にヒビが入り割った時に殻も入ってしまった、

ミラは前向きな表情で卵を手に取ると再チャレンジした、

しかし結果は同じく失敗した、

海夢はミラの卵を割る姿をじっくりと見ていた、


するとミラは、悲しそうな目で海夢に助けを求めるように見つめた、


海夢はミラの反省点を見つけていたのだ、


「ミラは、恐らく卵のヒビの入りが甘いんだよ、

だから次は、少し強くやってみるといい、!」


「わかった、」

ミラは再チャレンジした、

しかし次は、力が入り過ぎて割れてしまった、


海夢は、これ見ると頭を抱えて悩んだ、

〔う〜ん、、どうしたものか、、、、〕

正直、卵を割る事は難しくもなんともない

簡単な作業だ、

だからこそ、どう教えていいのか悩んでいたのだ、


そっから、海夢はあらゆる手段を試した、

「じゃ、じゃあ次は平たい所に卵を叩くんだ!

角っこじゃ無くて、平たい所に卵の真ん中を叩いて見てくれ、」



そうアドバイスするとミラは言われたように平たい所に卵を叩いて割った、!

するとさっきより殻の入る量が減っていた、


「いいぞ、その調子だミラ! どんどん割って行こう、」


するとあっという間に最初に出した五つの卵が無くなり

追加でどんどん出しては、割って行った、


そして数分後ーーーー

およそ、数にして卵16個目の事だった、

〔パカっ、〕

そこに割り出された卵は実に綺麗で殻が入って無いのは勿論、見た目も崩れる事なく完璧だった、


「で、出来た! 出来たよ海夢、私割れた、」


ミラは、嬉しそうに言うと

海夢もミラと同じくらい嬉しそうにして、2人でハイタッチを交わした、


しかし、そこにはミラの成功までの道中を物語る卵の残骸があった、


「ミラ、今日はここまでだ、」


「でも、私、やっと綺麗に割れるようになって、」


ミラは悲しそうな表情で答えた、

しかし、夜遅い時間なのであまり長くも出来なかった、


「あまり夜遅くなると明日の仕事に響く、

それにミラ、卵を割れるようになったのは、かなりの成長だ、だから今日は、もう寝よう!」


ミラは、少し残念そうな表情をしていたが納得をした、


「わかった、」


「でもミラ、その前にやる事があるだろう、」

海夢はそう言うと、失敗した卵から殻を手で少しずつ取り出した、


「料理を作る者、食材には感謝と敬意を持たないとな!」


ミラはうなずいて、海夢と一緒に殻を綺麗に取り出した、


こうして、ミラとのクレープ作り初日が終了した、


そして次の日の朝食では、卵料理が沢山並んでいた



ーーーーーーーーーー2日目ーーーーーーーーーー



「よし、ミラっ!、、、卵を割ってみるんだ、!」


するとミラは卵を割った


最初とはまるで嘘のように綺麗な卵をわれていた、


「流石ミラ、ここまでは完璧だな!」


ミラは勝ち誇った表情でとても嬉しそうであった

〈えっへん!、、〉


すると海夢は次の作業を教えた、

○砂糖、

○強力粉

○牛乳

○バター

これらの材料を取り出すと、ミラに生地を作る行程を丁寧に教えた、


「卵の入ったボールに砂糖を入れる、この時点で軽く混ぜる、

次に強力粉を振るいにかけながら少しずつ振る、

この時も軽く混ぜながら入れていく、

最後に牛乳、温めたバターを入れて混ぜれば生地は完成する!」


とりあえず、口で説明してもわからないと思うので

直接やらせた、


〈ベチャ!〉

時には、ボウルを倒して、


「わぁ!」

時には、強力粉をぶちまけて、


それは、まさに簡単な作業だと思えないような壮絶な戦いだった、


そしてついに、綺麗でトロトロな生地が完成した!

「よし、こんなもんだろ、、、 合格だ!」

海夢は、嬉しそうに合格を出した、


ミラはとても喜んでいた、


しかし今日も、キッチンは無残な姿になっていた、2人は綺麗にキッチンを掃除した!


2日目が終了した、

この時海夢は、誰かの気配を感じていた、

〔誰か見てるのか、? 隠れてるようだが、、、、まぁいいか、〕

海夢は、どうせシャウラかララだと思いあえて詮索しなかった、


ーーーーーーーーーー3日目ーーーーーーーーーー


「よし、今日はクレープの生地を綺麗に焼けるようにしよう!」


「わかった!」


そうすると海夢はいつも通り初めに見本を見せた、

まずフライパンを熱して暖まってきたら、

生地をお玉で一杯分すくって、熱したフライパンに入れる、この時に注意するのが、なるべく薄く広げて焼く事だ、

そして焦がさないようし、スルスル滑るようになったら、裏返す!

裏返した後も焦げないようにさっと焼き色が付いたら生地を取り出す!


生地を焼く上で最も注意する事は、生地を薄く綺麗に丸く広げて焼く事、

焼く時に焦がさない事、

〈時間にしておよそ、表10秒、裏にして20秒!〉

1番難しいのは、裏側にひっくり返す所だ、

良くあるのが、くっついて離れなかったり、

ひっくり返す時にフライパンの真ん中に返せない事が多い、


ミラは、失敗例をこなして行くかのように何度も何度も失敗した、

するとだんだんと綺麗に焼けてきた、

しかし海夢の合格はもらえなかった!


「ミラ、今日はここまでだ、まだ少し歪な丸だが、

最初に比べればかなり綺麗になってる、」


そう言うと、ミラは少し表情を穏やかにし嬉しそうに笑った、


「わかった、今日はここまでにする、」


こうして、クレープ作り3日目が終了した、


そして、この日も誰かが2人の様子を陰ながら見ていた、

〔また、誰か見てやがる、一体誰なんだ?」


海夢は、深く詮索する事なく、洗い物をすると、

部屋に戻った、


ミラのクレープ作りは、まだまだ続くのであった!

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