第5話 家庭が映し出す社会と頼る強さ




私は一人っ子のお父さんっ子でお母さんが嫌いで、どうしても許せないこともあり、たくさん喧嘩し、ただただむかついていた。


だからこそ家庭の外に出ても引きずって

どこか卑屈だった。


でも、さすがにあからさまに弱っている私を見たお母さんは学校に行かない事をすぐ了承し、

いつも働いていて忙しいお母さんが仕事を休み、毎日家にいた。

共働きの両親と一人っ子の私と3人家族なので家に昼間誰かといるという事が違和感があった。


いつも休まず仕事をしているのに、私のせいで長期で休みをとってくれているお母さんに申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

でも、私の事をそんなに大事に想ってくれてるんだと感じ一人部屋で隠れて泣いた。


深い事は何も聞かず私のご飯を朝昼晩作り

気分転換にと近くのレストランに一緒に行ってくれたりコンサートに連れて行ってくれたりまるで友達のように接してくれた。


そのコンサートが本当に楽しくて

あれ、学校以外でもこんな刺激的で笑顔になれる事があるんだと気づきました。

今でもそのアーティストの大ファン。


お母さんの事を嫌いという感情なんて簡単に消えて感謝しかなかった。

いつもありがとうございます。あなたの娘で本当に良かったです。


元々、海外ドラマが大好きだった私は

毎月欠かさず買う雑誌は海外雑誌ばかりだった。


そんな時、私の両親は

私にパンフレットを持ってきて

「学校、変えてもいいよ」と言ってきた。

隣町の学校か

カナダや海外の学校でもいいと。


お金はかかるけど、

私のためなら頑張るから行ってきていいよ。と


びっくりしてパンフレットの表紙の学生達の笑顔をずっと見ながら私がここの一員になったらどんな新しい人生があるのだろうとワクワクした。


今思うと、海外行っちゃえよ!と言いたくなるがその時の私は、

隣町の学校へ行く事は高校入った場合後々噂でいろいろバレて自分のプライドが許さないと思い


海外の学校は嬉しいしワクワクはしたものの

1人で国内の飛行機さえ体験したこともなく、

未知の海外に1人で飛び込む勇気はなかった。


自分のベストは今の中学を笑って卒業して

元気よく行きたい高校で憧れの女子高生をすることだった。


両親がこれだけ言ってくれていて

私の味方でいてくれる事に感謝しきれなかった。


いじめにあい、自分がボロボロにならないと

家族の温かみを私は知る事ができなかった。


私はこんな素敵な家に一人っ子として愛情を独り占めできるなんてとても贅沢だと思った。


私は1人ぼっちじゃなかった事に気づいた。




家庭は社会を映し出す鏡。

1番身近な家族関係。


いろんな家族、人それぞれの家庭環境がある中で

たくさん辛い経験をした人ほどたくましく強い人ばかりです。

私はこんなことにつまずくなんてちっぽけだと思うくらいたくさん今まで出会いました。



誰かに頼る事が苦手な人ほど頼る事は一つの勇気と強さ。

家族でも友達でも恋人でも上司や先輩でも。

全く悪いことじゃない。

自分は自分で思っているほど強くない場合だってある。

逆に弱いと思っていると意外に強かったりもする。

助けていただいたら全力で感謝をすればいい。

感謝の思い出として一生の宝物。

支え合っていけたらもっと幸せ。







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