16.おかえり、私のSennheiser CX 400BT True Wireless

 これは、買って2ヶ月で壊れたSennheiser CX 400BT True Wirelessとの出会いと再会についての日記のようなものです。なのにやたらと長くなってしまいました。

 まぁ日記のようなラブレターみたいなものなので、お気軽にお付き合いください。



 私は音響機器が好きです。詳しくはありませんが、ヘッドホンとかイヤフォンとかスピーカーとかアンプを買う時は、結構お店で試聴してから買います。何時間もお店をうろうろして、あれこれ試して自分の好みの音を探すのが趣味でした。

 「でした」と書いたのは、2021年現在はコロナの流行真っただ中ということもあり、あれこれ機材を気ままに試すのが難しくなってしまったから。もちろん、お店側もいろんな対応をしてくれていますが、ちょっと気が引けてしまいます。


 そんな中、悲劇が起きました。愛用していたBluetoothイヤフォン、Sennheiser(ゼンハイザー) FREE MOMENTUM が壊れてしまったんです。左耳がお亡くなりになり、使い物にならなくなってしまいました。

 この機材、お店で試して一目惚れならぬ一耳惚れするほど音がよかったんです。Bluetoothにありがちな、高音キンキンカサカサ嫌な音……がなく、上から下まで良く鳴って。


【5月27日】

 だけど、壊れてしまったからには仕方がありません。購入からまあまあ時間も経っていたのでどうせなら新調しようと思い、同じSennheiserの少し安い機種、CX 400BT True WirelessをAmazonで購入しました。

 全く試したのことないイヤフォンを買うのには激しく抵抗がありましたが、それ以上に、イヤフォンのない生活の方がずっと心細かったんです。

 それが、5月27日のこと。初めての完全ワイヤレスイヤフォンに苦戦しつつも、私はイヤフォンがある日々を楽しんでいました。セールやAmazonギフト券の力で、実質無料で買ったようなものでしたが、値段からは信じられないほどいい音がしてそれはそれは幸せでした。

 時々左耳から音が聞こえなくなることがありましたが、そのうち元に戻るので放っておいて。


【7月14日】

 しかし、そんな日々も長くは続きませんでした。7月14日。左耳は完全に息絶えました。忘れもしない、サブウェイの店内で。

 いつも通り音が消えた左耳に気づいて、私は一度イヤフォンを停止させ、ケースに入れて再起動しました。しかし左耳からは音がせず、うんともすんとも言いません。そもそもiPhoneと接続が出来ないのです。

 仕方ないので、iPhoneから一度CX 400の設定を消してみましたが、やはりだめ。今度はペアリングそのものが出来なくなってしまい、私とCX 400の生活はわずか2か月弱で幕を閉じたのです。


 なにそれ。

 私はその場で、Sennheiserのカスタマーサービスにウェブから問い合わせをしました。左耳から音が出ない、ペアリングが出来ない、といったことを簡単にまとめて。返事のメールはすぐに届いて、修理担当に現品を送付しました。メールで指示されたものを、一緒に小さな箱に同梱して。(イヤフォンと充電ケース、私の情報、購入の証明になる書類、不具合状況を書いたメモ)

 その時、うっかり純正ではなく自分で買ったイヤーピース(耳に入れるぷにぷに)をつけたまま送ってしまったのですが、それに気づくのはすでに発送手配をした後でした。


 それにしても、イヤフォンがない日々ってなんて味気ないんでしょう。街中は好きでもない音に溢れ、電車内は人の話し声ばかりで、何とも張り合いがありません。

 もちろん、私は他にイヤフォンを持っているので使っていましたが、私が今使いたいのはCX 400。マスク時代のこの最中、完全ワイヤレスかついい音がするあのCX 400が私には必要でした。それなのにいない。CX 400がそばにいない……。


【7月27日】

 心にぽっかりと穴が開いたような日々を過ごし、久々にCX 400の気配を感じたのは、7月27日0時のこと。

 配送会社からのメールには、「ゼンハイザー」の文字がありました。私は嬉々として荷物の受け取り日時を設定し、無事CX 400との再会を果たしたのです。この間、およそ2週間。長くも短くもある期間でしたが、アナウンスの通り本当に2週間くらいで戻ってくるとは思わなかったので、少し驚きました。



 結局、不調の理由はわからず、修理担当側で不具合の再現が出来なかったとかで、左耳だけ新品に交換という落としどころで私のCX 400は返ってきました。懸念していたイヤーピースは、ちゃんと小さな袋に入って同封されて。(新品の左耳には、純正の白いイヤーピースがついてました)

 今時点では、CX 400は両耳共に元気に音を鳴らしています。外部音取り込みやノイズキャンセリング機能はありませんが、それでいいんです。音が良ければいいんですから。


 ああ、おかえり私のSennheiser CX 400。これからも出来るだけ長く元気でいてほしい。

 今回学んだのは、

・メンテナンスが必要になる物は、メーカーが修理を保証してくれる経路で買う

・おかしいと思ったらすぐに問い合わせる

という2点。

 音楽がどれだけ素晴らしくても、それを出力してくれる機材がなければ楽しめませんからね。そして自分好みの機材をワクワクしながら選んで大事に使うのもまた、音楽の楽しみ方の一つです。


 コロナの流行が終わったら、ヘッドフォン・イヤフォンの試聴三昧をまた再開したいなあ。今後の楽しみを更に思い浮かべる方が出来た、勉強になる経験でした。


 もう壊れないでくれ、Sennheiser CX 400BT True Wireless。

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