春斗
・・・なんだよ余裕ぶって。嬉しいくせに。
今思えば小さい頃にいつも泣きながら抱きついていた時から気付いてないだけで無意識に好きだったんだと思う。
中学で彼女も出来たけど、なんか、ダメだった。なんかが違う、しっくりこない。それもまあ・・・今思えば気付かないフリしてただけかもしれないけど。俺が求めている小さいころから持ち続けた安心感、欲しかったものは今目の前にある。
一周まわって原点に戻ってきた感じかな。彼女とも別れた。
ずるずると告白するタイミングを見逃してしまっていてさっきチラッとLINEしてみたら冬斗が勉強しにきているっていうじゃないか!いや、勉強なら家でやれよ!!
冬斗もアイツのことが好きだ。
聞かなくても分かる。と言ってもそう感じるようになったのは結構最近だけど。妹を見るようだった冬斗の視線が女を見る視線に変わった事を俺は見逃さなかった。
何が萌だ、絵になるだ、俺のほうが何かと絵になるわ!まんざらでも無いくせにクールに決めやがって!
・・・よし。
頭に血が上った俺は今日告白することに決めた。ムカつくから冬斗に宣言してやる。
3人が解散してから俺は冬斗を呼びたした。
『・・・話って何?』
『俺、今日アイツに告白するから。』
『な・・・なんだよ急に。』
明らかに動揺してるじゃねぇかこのクールフェイスが!
『今日からアイツは俺のものだから気安く家に来たりするなよな。ま、三人でだったら会話くらい許してやってもいいけど。』
『へぇ・・・付き合える前提で言ってるんだ。』
『んなっ。』
『言っとくけどお前の事はそんな目で見ちゃいないぞ。言うだけ無駄だ、辞めとけ。』
『そ、そんなのお互い様だろ!ど、動揺してるくせに格好つけるな!とにかく、抜け駆けするのは嫌だからちゃんと前もって言ったからな、じゃ。』
俺はそう言うとその場からスタスタ逃げるように立ち去った。長居は無用。今に見ておけ!そうして俺は再びアイツの家に向かった。
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