ソラの三日月
七瀬モカᕱ⑅ᕱ
三日月の夜
一日の予定を全て終えてベッドに入る。いつもなら、ベッドに入ったらすぐ眠れるのに今日はなかなか眠れなくて....
「んー....」
ベッドから起き上がって窓のカーテンを少し開ける。空には三日月が出ている。机の上の電気スタンドをつけてスケッチブックに色鉛筆で空の絵を描く。今日は三日月だけど、スケッチブックには満月を。
「よし......上手く描けた。」
スケッチブックと色鉛筆を机に置いて、電気スタンドを消す。絵を描いたことで少し気分も晴れた気がした。
ベッドに戻って目を瞑る。
少し開いたカーテンから入ってくる風がすごく気持ちがいい。不意に強く風が吹いてさっきよりも大きく浮き上がった。やっぱり眠れなくて、もう一度窓の方を見る。
「ん......?」
カーテン越しに、小さいな影があるのが見える。カーテンが揺れた時にできるのとは別の小さい影が。
「誰か、いるの?」と思わず声に出してしまった。するとカーテンに隠れていた小さな影が姿を表した。その影の正体は、小さな妖精だった。そして、その妖精は私と目が合うと『やぁ、こんばんは』と挨拶をした。
「えっと、君は?」
自己紹介も、挨拶もせず一番最初にこう言ってしまった。そんな私にも妖精さんはニコニコ笑顔で答えてくれた。
『まぁ、初めはそうなるよね.....でも大丈夫!すぐにこの状況には慣れると思うよ。これからいっぱいお話するんだし。』
慣れるそれはどういうことだろう.....。
『さ、これからどうする?ここでお話してる?それとも、どこか行きたい?僕ならどこでも連れて行ってあげられるよ。』
どこかに行く、という言葉にまず驚いた。
今は夜中だ。遊べる場所も全部閉まっているはずだから。それ以前の問題で、こんな時間に外に出て人に出会ったら幽霊か何かに間違われるかもしれない。
でも、ここに居ても眠れないし。外に出た方が気分転換になるかもしれないと思った。
『どうする?』と妖精さんが聞いてくる。
私は、妖精さんさんに外に行きたいと伝えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます