ジョハリの窓


正面の窓は


あなたも私も見える景色


お互いにいくつかの仮面と虚飾の衣装を纏っている






右の窓は


私に見えてあなたに見えない景色


ふと仮面の隙間から化粧した声音が垣間見える






左の窓は


あなたに見えて私に見えない景色


きっと枯れ木の間に挽歌が流れているだろう







後ろの窓は


あなたにも私にも見えない景色


漆黒の闇の音だけがどこまでも木霊している







天窓からは


誰が覗いているのだろう……


かの者は深淵の底まで見通しているのだろうか













  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る