僕が見た夢
バイパー
コンビニでロードレーサーと出会った話
彼は一人暮らしをしているごく普通の男。
ワンルームマンションに住んでいて、
普通の会社に務め、
ただただ普通に休日を過ごしている。
彼の特徴を強いて表すならば普通よりも年下に見られること。
童顔で背が低く、
優しそうで押しに弱そうな顔をしているのだ。
そんな彼が近くのコンビニで買い物をしていると、
凛とした顔をした芯が強そうな女性が入ってきた。
服装はサイクルウェアにスポーツヘルメット。
彼女がその優しそうな男性を見かけた瞬間、
すこし心が揺れ動いた目つきをしていた…
そんな彼もただ何も考えず、
コンビニの前で購入した商品を口に含んでいる。
目の前にはキレイにメンテナンスされたロードバイクが停められている。
彼はじっとロードバイクを見ているが、
特に何も考えていない様子。
ただ商品を処理している間が暇だったのだ。
コンビニから一人の女性が出てくる。
サイクルウェアにスポーツヘルメット、
すこし心が揺れ動いた目つきをしていた女性だ。
ロードバイクをじっと見ている彼を見て、
思わず身体と口が動いてしまう。
ねえお兄さん、
このバイク気になる?
え、えぇまあ…
(…何か話し合わせちゃったな…
ほんとは興味なかったんだけどな…)
おお、お目が高いねぇ。
アタシもこのバイク気にってるのよ。
あんたもこういうのに乗るのかい?
いや、乗らないですけど?
あら残念。
アタシは今日は休日だからさコイツを乗り回してきたんだけどさ、
君は何してたの?
ん?特にやることなかったから
家でネットサーフィンですよ?
へぇ、どんなサイト?
性格診断とか心理学とか見てましたけど?
おお、いいねぇ。
何かそういうの好きそうな顔してるよ~。
は、はぁ、ありがとうございます。
ねえ、一人暮らし?
ま、まぁ…
一人だと自由でいいでしょ。
うん…
そんな感じに初めて会った同士なのに、
自然な会話をしている二人。
一方はただ質問にしどろもどろに答えているだけだが、
一方は外堀がどこまで埋まっているか確認していた。
ある目的を達成するために。
目的を阻害するものがないか。
掘り下げて質問していた。
あ~…
そろそろ家に戻らないと。
ん~、
あらそう。また後でね。
ん、さようならです。
…さて、後は気付かれないように追尾するだけね…
…さて、
なんだかよくわからないけど、
凄く時間取られちゃったな…
そんな独り言をしていると玄関のチャイムが鳴る。
特に理由がないから鍵を開けてしまうが、
ドアノブに手をかけようとしたところで
ふと何かに気づく。
誰が来たんだ?
そんな思考をした瞬間にドアノブが回りドアが開く。
へへ、ついてきちゃった。
え、ちょっと…
家に入っていいよね?
どうせ一人しかいないでしょ?
いや、あの…
お邪魔します♪
ねえ、コンビニから君のことをみてたんだけどさ、
かわいいよね。
顔とか表情とか、性格とかさ。
なんかさ…ね…?
こうさ…対面でスキンシップとかとりたくてさ?
ねえ、ちょっとだけでいいから、
お尻を触っていい?
えっ、いや…
しどろもどろとなっている間にも
彼女の手が彼の下半身へと伸びていく。
んっ…
いいね、その反応…
お尻もいい柔らかさだね。
彼女は正面からお尻を触っている。
空いてる腕は腰に回している。
蛇が獲物を絞め殺すように妖艶でそして逃さないように。
そういう状態になれば自然と身体が密着してくる。
目と鼻の先に顔があるくらいに。
互いの息がかかるくらいに。
ねえ、すこし踏み込んでいいよね…?
う…
直に触っていい?
…
彼はその問に対して曖昧な返答をした。
目は彼女をそらすようにしていたが、
顔はその先の行為に対しての期待と不安が混じった表情をしていた。
ズボンを下ろすね?
えっ…
抵抗しないんだ…
…
そういうと彼女はしゃがみこみ、彼のズボンを下ろした。
彼女の目の前に小さくとも雄々しくいきり立つ男性器が露出した。
彼女のスキンシップと密着するほどの距離というのはそれほど強い刺激ではないが、
女性慣れしていない彼にとっては男性器がいきり立つほどの刺激であった。
かわいいね…
あの…何で…
ん?何が?
何でズボンを…
ズボンを…何?
何でズボンを脱がしたんですか…?
だってね…お尻をさ直で触りたかったんだもん。
消え入りそうな声で彼は質問をする。
それがどんな効果があるかは分からない。
それでも彼女の両手はしっかりとお尻をもみしだき、
目線は彼の男性器に釘付けとなっている。
彼女の吐息が男性器にかかるくらいだ。
ねえ、服を脱いでくれない?
う…
私の目の前で服を脱いでほしいな…?
…
私を興奮させてくれない…?
…
彼は恥ずかしさ、
初めて体験することによる困惑、
これから先の行為の期待、
いろいろな感情が混じっていた。
いろいろな感情が混じったせいで
ただでさえ口数が少ないのにさらに口が硬くなっていく。
しかし、何かを期待して彼は服を脱いでいく…
彼は余計な脂肪と筋肉が少ない、
貧相な体つきをしていた。
なんていうかさ…
エッチだね、君…
表情とかさ…仕草とかさ…
そういうさ恥ずかしがってるところが
すごくエッチ…
…ねえ、私の裸を見てみたいよね…?
…う、うん…
そこはちゃんと答えるんだ。
スケベさん。
そういうと彼女はサイクルウェアを脱いでいく。
彼女の体つきは無駄な肉がなく、
しかし、筋肉はちゃんと引き締まってる健康的な形をしていた。
どうかな?キレイ?
キレイ…です…
フフ、嬉しい!
そういうと彼女は彼に抱きつき、
そのままの勢いで彼を押し倒した。
ねぇ…?
んぅ…
彼女はゆっくりと自分の身体と相手の身体を舐め回すように擦り付けてくる。
胸と胸が、腹と腹が、女性器と男性器が擦れ合う。
ん…あぁ…
彼が甘い声で喘ぎ始めると彼女は首筋にキスをした。
より甘い声が玄関に響く…
女の子みたいな声を出すんだね…
彼女がそうささやくも
すぐに首筋を舐め、ねぶり、吸い尽くす動きを続ける。
ねえ、どうだった?
あ、あの…その…
彼はいろいろな感情が溢れそうだった。
理性がいつ壊れてもおかしくなかった。
しかし、彼女はその表情を見てそれを理解していた。
ね、ここまでにしよう!!
え…あ…
今日は可愛かったよ!!
う…続きは…
じゃあ、またね!!
彼女はそそくさと服を着て家を出ていってしまった。
溢れ出そうだった感情がすっと消えて、
期待していたものができなくて虚無だけが残った。
…あの子、すごく良かった。
家の場所を覚えてしまえばね…
フフッ…
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