第14夜 踏切事故で死んだ女
小学生の頃、学校で怖い話が流行っていました。
私はあまりそういう話が好きではなかったので聞かないようにしていたのですが、クラス中で盛り上がっていたので嫌でも耳に入ってくるんです。
ある日、隣の席の男子が「踏切事故で死んだ女」の話をしていました。
極力聞かないようにしていたので詳しい話は覚えていませんが、踏切事故で死んだ女が自分の噂を聞いた人のところに訪ねてくるという話だったと思います。
その日の夜、布団に入って寝ようと思った時、ふとその女の話を思い出しました。
「もし女がやってきたらどうしよう」
そう思うと、怖くて眠れなくなってしまいました。
忘れようとすればするほど考えてしまって、私は布団を頭までかぶり、目を瞑って怯えていました。
カンカンカンカン……
窓の外からかすかに音が聞こえました。
踏切の警報機の音でした。
やばい、と思った時にはもう身体が動かなくなっていました。
カンカンカンカンカンカン……
音はどんどん大きくなっていきます。
もがこうとしても身体は全く動かず、声を出すこともできません。
「いやだいやだいやだやめてやめてくださいごめんなさいごめんなさいごめんなさい許してください……」
私は頭の中で必死に唱えました。
するとだんだんと警報機の音が小さくなっていきました。
「ごめんなさいごめんなさい許してくださいごめんなさいごめんなさい……」
私はとにかく謝り続けました。
そうしているうちに警報機の音は聞こえなくなり、身体がふっと軽くなりました。
「良かった……」
と声を出すと耳元で声がしました。
「次はないからね」
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