第2夜 呪いの行方

俺が中学生の時、当時高校生だった姉が急におかしくなりました。

夜中に訳のわからない言葉を叫んで号泣していました。それも毎日です。

心配した両親は、病院で脳波を調べてもらったり、心療内科に連れて行ったりしましたが、脳に異常もなかったし、精神安定剤を飲んでも一向に良くなりませんでした。


ある日、父方の親戚のおばさんがやってきて、姉はお祓いを勧められました。

おばさんはそういうのに詳しい人だったらしく

「悪い霊がついている。今ならまだ間に合うから、良い霊能力者を紹介してあげる」

と言われました。

両親は半信半疑でしたが、おばさんがポラロイドカメラで姉を撮影したところ、姉の首から上が真っ黒に写ったのを見て驚愕し、姉はお祓いを受けることになりました。


姉はおばさんと両親とともに、3日間帰ってきませんでした。

どんなお祓いをしたのか教えてもらえませんでしたが、帰ってきてから夜中の奇行は無くなりました。


それから半年後、元気だった母親が心臓発作で急死しました。

父が遺影にする写真を探そうとアルバムをめくると、全ての写真の母親の首から上が真っ黒になっていました。

遺影は母の妹の写真を使いました。

母の顔がわかる唯一の写真は、お葬式の日に撮った死に顔の写真だけです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る