　新しくできたお庭に、みんなが遊びに来てくれた。

　長い間出張に行ってたお父さんが、うちに帰ってすぐホームセンターへ出かけて、うちの庭をぐるっと囲むフェンスを取り付けてくれたの。人工芝も敷いちゃった。手作りのドッグランだよ！

　折賀（おりが）くんと甲斐（かい）くんが、ケンタサイズの小さなシーソーとトンネルを作って持ってきてくれた。

　ケンタはさっそくコロコロと走り回って嬉しそう。甲斐くんはときどき、ケンタを抱き上げてから「ごめんごめん、可愛いんだもん」って謝ってる。ケンタとお話してるみたい。

　ケンタは甲斐（かい）犬（けん）みたいなとら毛模様だけど、どっちかというとお顔や体格が柴犬よりで、あまり大きくはならないだろうって獣医さんが言ってた。

　柴犬といえば、獣医さんが手当てをしていたセレっていう名前の犬。

　あのあと、ちゃんと飼い主が見つかったんだよ！　セレを迎えに来た飼い主さん、もう見つからないと思ってたらしくて、ものっすごく喜んでた。

　黒鶴（くろづる）さんが、ケンタとセレには特別な絆（きずな）があるって教えてくれた。だから今度、ケンタを連れて遊びに行こうと思ってるんだ。

　セレも、折賀くんに甲斐くんも。それからもちろん、黒鶴さんも。

　誰かひとりでも欠けてたら、わたしはきっとケンタに出会えなかった。だから、みんなにとっても感謝してます。

　もちろん誰よりも、うちに来てくれたケンタにいちばんおっきな感謝を。

　あ、これ、今度の作文のテーマにしてみようっと。

　おしまい！　【お外遊びＥＮＤ】

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい