夏の午後

信号機が点滅し始めて

君が私の手を握って走り出す

心臓が壊れるかと思うほど

大きく鼓動を刻み始める


2人の周りだけが

スローモーションで回り出す

この横断歩道が ずっとずっと続けばいい

この時間が ずっとずっと終わらなければいい


横断歩道を渡り切って

息が上がったのは 走ったからじゃない

臆病な私は 言えないまま手を放す


けれど 君の手の温もりは

その感触は

消えることなく残っている


もう少しだけ 勇気があれば。


何となく 君の顔を見れなくて

俯いたまま 少し後ろを歩くしかできなかった

意味もなく 口をついて出た「ごめん」

笑い飛ばす君


その笑顔をみて

やっぱり好きなんだと 改めて思う


蝉の鳴き声が鳴りやまない

そんな 夏の午後

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