突撃

 Side 藤崎 シノブ


 =太平洋上の海=


 飛翔魔法で海面スレスレを飛び、目的のタンカーに向かう。

 遠目から見ると普通のタンカーに見えるが鑑定すると物騒な単語がズラリと並ぶ。

 目的の船で間違いないようだ。


「どうします!? 突撃しますか!?」


「ああ、タマには派手にやろう!!」


 俺は谷村さんに続くようにタンカーに突撃した。



 Side 斎葉 ヒデキ


 =偽装タンカー・貴賓室=


 一体何がどうしてこうなった!?

 

 ライブラの支援を得て、日本を焼き払い、新たなビジネスを展開する私の野望が何者かに阻まれようとしている。


 激しい銃撃音、爆発音がここまで響いている。

 一体敵は何者なんだ?

 何処の国の者だ?


 

 Side 藤崎 シノブ


 様々な武器をぶら下げたドローンを次々と破壊する。

 中には厳つい戦闘ヘリのようなドローンまで現れたがそれも破壊した。

 傭兵集団も次々と殴り、蹴り、時には魔法で眠らせていく。

 ハリウッド映画のラストバトルよろしく俺と谷村さんは派手に暴れていた。


「数が多いね全く!」


「首都圏を焼き払うつもりだったんでしょう! 戦力もそれ相応でしょう!」


「違いない!」


 などと谷村さんとやり取りする。

 不謹慎ながらこうして谷村さんと一緒に戦うのは楽しい。

 仲間ってのはいいもんだと思う。


「今度は人型のロボット!? アイ〇ンマン!?」

 

 俺は驚いた。

 今度は灰色の厳つい人型ロボットが現れた。

 一体二体じゃない。

 武器はガトリングガンやロケットランチャーなど、重武装の見本市だ。


 それを俺達は殴る、蹴る、アイテムボックスから出した剣で斬る、魔法で纏めて破壊するなどして暴れまわる。


「あーやばい。久しぶりの大暴れだからテンションが酷いことになりそう!!」


「谷村さん落ち着いてください!!」


 谷村さんはもうなんか黙視するのが困難な程の超スピードで動き回りながら次々とドローン軍団と私兵部隊を倒していった。



 Side 斎葉 ヒデキ


「何なんだあいつらは!? どっから湧いて出だ!?」


 たった二人の少年にドローン軍団が破壊されていく。

 アメリカのヒーロー映画のような光景だ。

 既に半数以上のドローンが破壊され、首都を焼き払うと言う作戦目的は失敗に終わった。

 ここは逃げるしかないと私は思った。



 潜水艦に乗り込み、逃げようとした矢先、天井が崩れ落ち、そこから二人の少年が現れた。


「こいつが今回の事件の首謀者か」


「みたいだね」


 二人の少年が私の前に立ち塞がった。

 


 私は日本と言う国が嫌いだった。

 この腐りきった国を焼き払う。

 そのために今回の計画を用意した。


 だがその計画は無残に崩れ去った。

 

 二人組の何者かによって。


 今頃ノコノコと駆けつけて来たICPOの職員に他の兵士ともども私は捕縛される事になった。 

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