第414話 問題は解決しなくても、心は軽くなる

 悩んでいるときや、困っているときは、誰かと話したり、あるいは、本を読んだりすると、ある程度気持ちが和らぐ。


 別に、それで今悩んでいることや、困っていることが解決するかもしれない、という期待を抱く必要はない。何か問題を抱えていて、その心情を吐露したからといって、問題自体が解決することはない。けれど、悩んでいる、困っているという状態にある心を、少し軽くすることはできる。


 本も誰かが書いたものなので、間接的ではあるが、人と接するのと同じである。というわけで、やはり、我々は一人では生きていけないという話に繋がる。一人では生きていけないというのは、ほかにも色々な意味を含んでいるのだが、問題に直面したときに、今、問題に直面している、ということを伝えられる相手がいないと、自分という人間が破綻してしまう。


 SNSでは、誰でも自由に呟くことができるので、現実世界にそうした相手がいなくても、心情を吐露することは可能である。それで救われる人がいるのなら、SNSが存在する意義は非常に大きい。

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