第406話 not only 効率

 効率だけを求めることはできない、と思う。


 たとえば、ノートを書くに当たっては、できるだけ空白が少ない方が良い。空白があればあるほど、紙を効率的に使えていないことになるからである。しかしながら、ノートのほとんどを文字で埋めてしまうと、見たときに分かりづらくなってしまう。さらに、文字にはそもそも空白の部分があるので、それをなくすことはできない。


 効率だけに目を向けると、自分がなぜそれをしようとしているのか、ということを忘れてしまう。ゲームを効率的に進めようとするのは間違いではないが、そこだけに注目してしまうと、自分が楽しさを求めてそれをしていることを忘れて、最終的には単なる作業でしかなくなる。


 また、効率だけを求めると、自分の身を守ることも忘れてしまう。効率とは、単位時間当たりの仕事の量のことだから、突き詰めていくほど、負荷がかかることになる。要するに、ストレスが溜まりやすくなったり、精神に負担を強いることになるので、それを回避するための方法も、同時に考えなくてはならない。


 人間の持つ能力の中で秀でている部分は、物事を効率的に進める点ではないと思われる。その点では、コンピューターの方が圧倒的に秀でている。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る