第400話 科学は最大の宗教

 世界で最も普及している宗教は、科学である。


 世界三大宗教として、キリスト教、仏教、イスラム教が挙げられるが、それらの比にならないくらい、科学は世界中の人間を抱えている。もちろん、科学は宗教として認識されていないが、宗教と共通する点がいくつもあるし、悪い意味で言っているのではない。そもそも、宗教は人間に悪い影響を与えるものではない。そこにお金が関わってきたり、人を死へと導いたりすると、非難されるようになる。


 科学の参加者が崇拝している神とは、名前こそないが、三大宗教が掲げる神とは比べ物にならないほど偉大な存在である、神、そのものである。その神とは物理の法則を生み出した神であり、条件が揃えば毎回同じ科学反応を起こす神である。また、科学の世界にも定められた経典(ルール)があって、参加者は必ずそれに従わなければならない。けれど、そのルールが適用される者の年齢や出自は問わず、ルールそのものが科学的である。つまり、参加者でなくても納得でき、かつ合理的だと判断できる内容になっている。


 結局のところ、どういうやり方を信じるか、ということにすぎない。そういう意味で、宗教も科学も根本の部分は同じである。

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