第359話 意識的に慣れられる?

 空腹の状態がずっと続くと、ついに空腹感がなくなる。同じ原理で、ずっと勉強していたら、嫌だと感じなくなるのではないかと思ったが、それほどではなかった。


 走り始めて五キロに満たないくらいでは、徐々に疲労を感じたり、もう嫌だと感じるが、それが十キロを超えてくると、今度は段々と走るのが楽になってくる。いや、正確には楽になるのではないが、脚が自動的に動くというか、ふわふわとした感じになるのである。


 これらは一種の慣れかもしれない。人間は慣れる生き物なのである。生き物はある程度環境の変化に対応できる能力を持っているが、人間の場合はそれを意識的に行えるように思える。先の例でいえば、今辛いと感じていても、もう少しすればその辛さもなくなる、だから頑張ろう、と考えて、自分を制御できるような感じである。


 ただし、これはあくまで刺激が適度の場合の話であって、刺激があまりにも強すぎると、慣れる前に身体や精神が駄目になってしまう。程良いスピードで走っているのなら、徐々に身体もそれに慣れてくるが、いきなり猛ダッシュをして、それを維持するということは到底できない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る