第352話 常に百に満たない値を
どんな場面でも、百パーセントの力は出さない方が良いと、個人的には思う。
思う、と書いた通り、そう思うだけで、なぜそう思うのかは分からない。ただ、感覚としては、ものを作るときに遊びを持たせるのと似ている。遊びとは、螺子を締める際に完全に締めるのではなく、少し余裕を持たせて締める、その余裕のことである。文章を書くときも、一文が長くなりすぎないように、適宜読点を打って書いていくが、その間も遊びに似ているように思える。
百パーセントの力を発揮すると言うと、もちろん聞こえは良い。だが、実際に百パーセントの力を出してしまうと、余裕がなくなってしまう。基本的に、人間は明日も生きていく前提のもとに生活しているから、今日百パーセントの力を出してしまうと、明日がどうなるか分からない。もしかすると、明日も百パーセントに近い力を発揮することが求められるかもしれない。その際に、今日百パーセントの力を出してしまったら、明日を生きる術がなくなってしまう。
どんなときにも、余裕を持っておくことが大切だと感じる。ただ、余裕がありすぎても困るので、そこは適宜調節しなくてはならない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます