第327話 ゲームはやがて現実に繋がる

 ゲームなどで新しい世界を作る場合、その世界のクオリティを上げていくと、最終的には現実と等しい世界が生まれることになる。


 たとえば、SDカードにゲームのデータを入れたとする。このとき、SDカードの中にデータが入るということは、すなわち、そのデータが、現実世界のデータよりも量が少ないということを意味している。そうでなければSDカードの中には入らない。これを逆に考えると、データ量が現実世界と等しくなれば、現実世界と同じ世界がもう一つできたのと同じということになる。


 よく、ゲームにはグラフィックが大事だという論争が巻き起こるが、グラフィックとは要するに見栄えのことであり、それが現実とどのくらい似ているかということを論じているわけで、そのまま突き詰めていけば、それはこの世界ではない新しい世界の誕生という話に繋がってくる。


 ゲームはあくまでゲームであるわけで、ゲームには必ず何らかの目的がある。だから、グラフィックも、そのゲームの目的に合致したものにするというのが、合理的な判断だと思われる。自分と相手で何らかのアクションをとるゲームで、生えている葉の一枚一枚が繊細に描写される必要はない(現実では、そうあるべき、というか、そうである)。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る