第254話 質の劣る部分は必要

 期限が定められており、しかも製作に時間のかかるアニメでは、作画に優れている回と、残念ながらそうとはいえない回の両方があるが、個人的には後者も作品を支えるうえで必要だと思う。


 もちろん、これはアニメに限った話ではないが、質が良いのなら良いに超したことはない。しかしながら、制限時間内に作品を完成させなくてはならないわけだから、どこに一番力を入れるのかを見極めなくてはならないし、そうした結果、映える部分とそうでない部分の差ができてしまうのは、仕方がないことだと思う。そうした質の劣る部分は仕方がなくできたものではあるが、実際に完成された作品を見てみると、質の良い部分をより引き立てるためにも、質の劣る部分はあった方が良いと感じるのである。


 最初のシーンの質がとても良いと、一気に物語に引き込まれるが、そうすると、次もまたそうしたシーンを見たいと思うようになる。だからそのあとの部分が冒頭よりも劣っていても、次にまた質の良い描写が見られると思い、ついつい見続けてしまう。これも一つの手法なのではないかと思うわけである。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る