第226話 オフショットは不可能

 真なるオフショットを撮ることは、どうしてもできない。


 雑誌などの表紙に、誰々のオフショットを掲載、みたいなことが書かれていることがあるが、どうやってオフショットを撮ったのだろうかと疑問に思う。おそらく日常に近い様子を写したということなのだろうが、それでは全然オフショットではないし、そんな手法で客を喜ばせて良いものだろうかとも思う。


 オフショットを撮る前には、撮影の対象にオフショットを撮る旨を伝えるのだから、それは本当の意味でのオフショットではない。オフショットを撮るためには、その人に何も伝えずに、盗撮するがごとくカメラを回さなくてはならない。オフショットを撮るということを伝えれば、相手はオフショットを撮られることを前提にポージングをするわけだから、全然オフの状態ではない。


 「オフショット」という名称の問題だから、本来は突っ込むべきところではないが、そういう言葉の問題を考えるのも、面白いじゃないかということで……。

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