第154話 非常に興味深いメタ構造

 メタ構造というものが、個人的にだが、面白いと感じる。


 メタ構造とは、自身が自身によって規定される、みたいな状態のことである(ほかにもっと上手い説明の仕方があるのだろうが、自分にはこれ以上は思いつかなかった)。たとえば、「言語を使って、言語について説明する」という場合、後者の「言語」には前者の「言語」も含まれている。両者はほとんど等しいものだが、少しだけ上下関係をずらして、自己を自己を使って示す、みたいな感じだろうか。


 このメタ構造は、創作物にも多く使われる。ミステリードラマの探偵が、突然カメラに向かって、「皆さんも一緒に考えてみましょう」などという台詞を口にするのがそれで、この場合、この探偵は創作物の世界の住人であるにも関わらず、こちら側の世界、つまり視聴者が存在する現実世界をも知っている。本来ならありえないことだが、そういう演出方法として利用できるというのが、自分としては非常に面白く感じる。


 ここで注意したいのは、面白く感じる理由について考えるのを、面白いと感じる人は、実は面白くないということである(冗談)。

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