第147話 瞬間的な好き
どんなに好きな人であっても、いつかは必ず飽きてしまう。こういうことをいうと、酷い人だと言われそうだが、実際に、そのような経験をしたことがある人も沢山いるはずである(事実なのに、それを口にすると非難を受けるというのは、よくあることである)。
好きという感情は、永続的なものではなく、どちらかというと瞬間的なもののように思える。というよりも、それは好きという感情に限らずに、人間が抱く感情全般にいえる。一度楽しいことが起きたら、もう一生楽しいままということはないし、悲しいことが起きても、時間が経てば悲しさはある程度緩和される。それと同様に、好きだとその瞬間に感じることはあっても、それが長期的に自分の心の中に残っているということは考えにくい。その対象を目にした瞬間にだけ、ああ、自分はこれが好きなんだな、と感じるという方が現実味がある。
数多の人々と出会う中で、好きだと感じる人が出てくるわけだが、毎日毎時間その人と一緒にいたら、徐々に好きだとは感じなくなってくる。これは、単純にその人と一緒にいる状況に慣れてしまうためかもしれない。
昔から言われていることだが、賢者同士の関係というものは、酷くさっぱりしたもので、余計なことは一緒にしないようである。
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