第140話 テンプレート的な感情
酷く個人的な感想だが、SNSに上げられた文章を読むと、どういうわけか、その人の機嫌が、平常か荒れているかのどちらかに見える。もっといえば、平常に見える場合と、荒れている場合の、そのどちらかのパターンしかないように見える。
個人的な感覚なので、流してもらって構わないのだが(そんなことは当たり前だが)、自分がそう感じる原因について、自分なりに考えてみようと思う(というか、ほかの人は考えてくれない)。
一番の原因として考えられるのは、考えていることを文章という形で発信することで、些細な感情がオミットされる、ということである。人間の機嫌は平常か荒れているかのどちらかしかないわけではないが、文章にすると、その間に存在する微妙な感情を表しづらくなる。たとえば、文字情報の範囲では、プラスとマイナスの感情を表す代表的な言葉として、嬉しいと、悲しいしか存在しない(あくまで、対立項としては)。その間の微妙な感情を表すには、長々と文章を連ねて記述するしかない。しかしながら、SNSではできるだけ文章を短くする必要があり、かつ重要なのはその個人の感情ではないことが大半だから、「嬉しいです!」と書かれたら「ああ、嬉しいんだな」と思うし、「悲しいです……」と書かれたら「ああ、悲しいんだな」と思う。
まあ、適当なこじつけなので、この限りではないだろう。
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