第121話 ストーリーの構成について

 ストーリーを作る場合、どのように見せるかによって、受ける印象が大分変わる。


 ほとんどの創作物では、ストーリーが一本線の形状になっていて、それは実際に実線である。つまり、途中で途切れることなく話が進んでいき、そのままエンディングに至る。この場合、ストーリーを途中で切らないこと、そして、流れを一定に保つことが、違和感を覚えさせない大きなポイントになる。


 一方で、断片的に物語が進行していくことで、受け手の脳内に勝手にストーリーを形成させる、という手法もある。こちらの場合では、ストーリーが一本線になっておらず、線はあるが、それは実線ではなく破線で、その上にいくつかの点が散りばめられている。この場合は、語る部分とそうでない部分の見極めが、主に重要なポイントになる。こちらが伝えたいことは確実に伝えるべきなので、そこを点としてとるのは良いとして、説明のしづらいところは、あえて語らないようにする。こうすることで、上手くいけば、直線的に語るよりもストーリーの密度が上がる場合がある。


 どちらが面白くて、どちらが面白くないか、また、どちらが作るのが楽で、どちらが大変か、という問題ではない。作り手の力量にすべてかかっている。

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