第73話 子どもは愛の証?
子どもは二人の愛情の証として生まれるわけではない。もちろん、二人が愛し合った結果として子どもが生まれることはあるが、二人が愛し合うことと、子どもが生まれることの間には、直接的な関係はない。子どもが欲しいと思うのは、もっと根源的で生物的な欲求がはたらいたせいであり、愛が生じるよりも前にその欲求は生じる。
自分の子どもだからとか、自分と血が繋がっているからといった理由で愛情を注ぐと主張する人がいるが、それは、そういう理由づけをしないと誰も愛せないことの裏返しではないか、と個人的には思う。これは少々言いすぎな感じもするが、でも、最終的にはそう表現するしかないだろう。自分の子どもだろうが、そうでなかろうが、誰かを愛することは可能である。たしかに、「自分の子どもだから愛する」と言っているだけで、「自分の子どもではない場合」については述べていないわけだから、その場合については何ともいえないが、こういう理由づけをする人は、「自分の子どもだから」という部分を強調したがる傾向が高いことは確かである。
子どもが生まれるのは、二つの遺伝子が融合したからであり、そこに愛があるか否かという話ではない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます