第60話 迷ったら中立

 中立は最強である。


 ここでいう中立というのは、どちらにも傾かない、ちょうど良い立ち位置、という意味を示す。何でも良くて、どうでも良い、といった放棄の意味は含まれない。


 たとえば、人間には自由はあるか否か、といった非常に有名な命題があるが、この問いに答えようとすると、答えが一つに絞れなくなる。つまり、人間には自由はあるともいえるし、ないともいえる。どうしてそうなるのか、といった詳しい理論は割愛するが、こうなったとき、人はどちらの立場をとったら良いのか迷ってしまう。そこで登場するのが中立の立場である。この中立の立場では、人間に自由があろうとなかろうと、どちらでも良いではないか、という主張を行う。というのも、人間の行動には、何らかの因果律に縛られているように観察されるときもあれば、そうではなく、個人的な思考の結果であると観察されるときもある。つまり、どちらの場合も考えられるから、どちらか一つに絞る必要はないとする。


 この考え方は、日常の多くの場面で活用できる。中立の立場をとることを覚えれば、多少はストレスを軽減することもできるだろう。

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