第三話 ソルゴー

ナドーリアはシャウルが登って来た階段を降りて城の一階に降りた。王は一階の中央の大きな階段の裏側へ周ると、そこには何もない普通の床に魔法陣が書かれていた。ナドーリアは魔法陣に手を触れると魔法陣が時計回りにカラカラ周りだし、シャウルの後ろに石造りの大きなアーチのような扉がせり上がってきた。

ナドーリア「こちらだ。」

ナドーリアは扉を開け、シャウルとモーシーを扉の中へと案内した。扉の中は下へと続く階段があり、王が階段の入り口にある上から垂らされたレバーのようなものを引くと、両端に並んでいる青白い照明が王に近い順にゆっくりついて、階段の一番下まで照らした。階段は長く、周りは無数のレンガのような石のような直方体で型どられている。

ナドーリアが階段を一段ずつ降りて行き、シャウルとモーシーもそれに続いた。

階段を一番下まで降りると、ろうそく灯りで照らされた広い直方体の空間があり、二台の木造の馬車のようんなものがある。

空間奥からミルオースがユニユルを連れてシャウルに近づいてきた。

ミルオース「これがシャウル様に必要かと思いまして。」

シャウル「ありがとうございます。」

ナドーリアはシャウルとモーシーに木造の馬車のようなものを指しながら説明を始めた

ナドーリア「お前たち二人にはこの乗り物に乗って海底都市ダラスへ行ってもらう。」

シャウル「それはなんですか?」

ナドーリア「これはソルゴーだ。中に空気を取り入れ水の中でも走ることができる。」

ソルゴーの見た目は高さ三メートルほどの大きな箱に魔術式が張り巡らされ、綱で木造りの巨大な馬のおもちゃのようなものが繋げられている。

ナドーリア「中へ入れ。」

そう言うとモーシーとシャウルはソルゴーに取り付けられた扉を開け、中へ入っていった。シャウルはソルゴーの中に入って驚いた。外からは少し大きな箱くらいの大きさだったのに中はシャウルの家の二階程の部屋になっていた。

シャウル「これはどうなっているのですか?」

ナドーリア「これは縮小呪文だ。どうだシャウル、オウルの技術は素晴らしいだろう。」

シャウルはいったんソルゴーから降り、ユニユルを小さくして、神器と荷物を全てソルゴーの中に持ち込んだ。

ナドーリア「モーシー、これがお前の食料だ。シャウル、もう持っているようだが、これがお前の分だ」

そう言うとナドーリアは食料の入った袋を二つソルゴーに投げ入れた。

ナドーリア「トイレは別室にある。調理室も完備してある。オウルの書物庫にある邪神ファボールについての資料も全てかき集めて置いてある。海底都市ダラスへは三日ほどで着く。それまでゆっくり休み、力を蓄えておけ。馬を操る役兼世話役としてミルオースを貸し出す。こいつになんでも聞くと良い。」

そう言うとナドーリアはミルオースを中に入れ、扉を閉めた。

ミルオース「お二人ともよろしくお願いします。私は別室で馬を操っています。質問があれば聞いてください。」

シャウル「ソルゴーにはここ以外にも部屋があるのですか?」

ミルオース「この部屋からすべての部屋に移動できます。」

そう言うとミルオースは先程ソルゴーに入ってきた扉を開けると、そこは城の地下ではなく木造の四つの扉に繋がる部屋があり、扉の上にはそれぞれ図書室、調理室、トイレ、操作室と書いてあり、ミルオースはそのうちの操作室へ入っていった。



しばらくするとガラガラと音を立てソルゴーが動き出した。

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