設定解説とかとか 

一水素

設定解説とかとか『双子のデジャヴ』

まず初めに、この小説または『双子のデジャヴ』を読んでいただきありがとうございます! 設定で悩んだところや伝えたかったことなどが多くあるのでそれを紹介していきたいと思います。


【既視感とは】

そもそも、既視感とは「過去に一度も経験したことが無いのに、なぜか同じ様な体験をしたように感じる」ことであり、「過去に見た何かと重なって見える感覚の事」ではありません。今作では正しい意味での既視感を使用しています。

 

既視感を覚える人は統合性失調症などの精神疾患を患っている場合が多いなどと当時思われていたようですが、実際はもっと身近なものです。その意味では誰しもが起こり得るものなのかもしれませんね。

 

今回は予知夢のようなものになりましたが、この考えは超心理学的な所からきています。つまりは既視感に未来予知のような機能がある確率は限りなく低いということです、なんちゃって設定です。


なら未来予知でもよくないかとも思うでしょうが...全くその通りです、ただデジャヴという言葉がかっこよかっただけでした。

 

そして双子共々既視感を覚えることとなりましたが、そこら辺は一卵性双生児だからということでありそうな雰囲気を出しています。



【初期設定】

既視感を題材にしたものを書こうと思い、ある日の朝目覚めるとこのイメージがびびっと湧きました。

 

最初は双子ではなく一人の男性が主人公で、彼も同じく未来予知にも似たこの力に日々悩まされていました。

既視感を覚えるというのはとても気を乱し精神を蝕んでいくもので、日が経つにつれて頭の中にもやがかかっていきました。


ある日、彼はとある交通事故のニュースを見て死ぬという部分に既視感を覚えます。そして次の日、彼は女の子が車に轢かれそうになっているのを発見します。そして彼が下した決断は...見捨てるという行為でした。


その後彼の頭にかかっていたもやは消え失せ、スッキリとした気持ちになります。彼は本来ここで死ぬはずだったので、その後のことは未知ということですね。

彼は道を歩きながら言います、「あー、スッキリした」と。

 

一見イカれてる主人公だと思うでしょうが、実際自分の死がかかった場面でどれだけの人が身を乗り出せるでしょうか。それに既視感から解放されるチャンスが目の前にある状態で、です。


バッドエンドはあまり好きではないですが、こういった人間味を出すためにも終わり方は後味が悪いものとなってしまいました。しかしさすがにこれは不味いなと思い、急遽双子に変更したというわけです。

 


【登場人物】

双子の兄:

兄のたった一言があれば弟は助かっていたかもしれません、しかし心に燻ぶる嫉妬心や違和感がその言葉を失わせました。もし弟に依存せず、自立する道を選んでいたら...違う道を歩んでいたかもしれませんね。

 

ちなみに、既視感にも重度軽度が存在します。その原因には睡眠不足が挙げられ、兄も同じく睡眠不足でした。


双子の弟:

彼は非の打ち所がないぐらい完璧な人間です。しかし兄に対してはミスを犯しています、自分の力で解決させず優しさを振りまいたことです。

いくら善意とは言えども与えすぎれば毒になります、それだと成長を促すことにはならないからです。最後に彼はそれに気づき、兄に謝ろうとしましたがもう遅かったようです。


喧嘩など一度もしたことがないというのは恐ろしいものだと私は思います。人間である以上、些細なことで嫉妬などを溜め込んでいくからです。その意味でキャッチフレーズの「誰もが羨む兄弟愛」を皮肉ってみた作品となっています。



【さいごに】

個人的には「人間味」というものをキッチリと詰め込めた作品になっていると思います。終わり方が後味の悪いものとなってしまいましたが...まあそういうときもあるということで。


そして、ここまで読んでくださった皆さま、本当にありがとうございました!


ネタ帳全般に言えることですが、この内容が少しでもあなたの考え方の幅を広げるものになるのを祈っています。

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