第5話「ダンジョン探索①」

 オリジナルキャラを出します。



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「明日は朝からダンジョン探索にいってみようか!」


 クリスが突然そんなことを言ってくる。


「どうしたのだいきなり。私は別に構わないのだが、なぜ急にダンジョンに行きたいなどと言い出したのだ?クリスのことだ、何か理由があるのだろう?」


「おっ、わかるのかい、ダクネス?......実はね、近くのダンジョンに新たな通路が発見されてね?そこからお宝の匂いがプンプンするんだよ」


 耳元にささやくように言ってくる。ギルド内にいる他の冒険者に聞かれたらまずいことなのだろうか。


「なるほど......。ん?いや待てクリス。ダンジョンに新たな通路が発見されたとなれば、ギルドから情報が入るのだが、私はそんな情報聞いてないぞ?多分だが、他の冒険者達もそのことは知らないはずだから......。どうしてクリスがそのことを知っているのだ?」


「それはね、ダクネス?その通路はあたしが発見したものだからなんだよ!」


 そう自慢げに言ってくる。


 なるほど、そういうことか。理由を尋ねているときに、クリスがやたらとニヤニヤしていたのと、最近一人でこそこそと冒険に出掛けていたのもそのせいか。


「しかしクリス、ダンジョンにはアンデットモンスターがかなりいるぞ?自慢じゃないが、私はクルセイダーなのにそういった対アンデットのスキルなどは全く持っていない、前回他のパーティーと合同でダンジョン探索に行った時はプリーストが同伴していたが今回はどうするのだ?」


「そのことなら、問題ないよ?もうすでに手配済みだからさ!」


 手配済み?既に当てはあるのか。

 そう私が感心していると、クリスは少し離れた場所に座って夕食をとっていたプリーストとおぼしき人物の元に駆け寄った。


「ほら、ダクネスもこっち来て」


 そう言われ、クリスと共にプリーストらしき人物の元に行くとそこには、私と同い年だろうか、茶髪でロングヘアーの10代後半と見られる若い女性がいた。


「あっ、こんばんは、クリスさん。こちらの方が以前おっしゃっていたクルセイダーのダクネスさんでしょうか?」


「うん、そうだよ。紹介するね。この子はプリーストの......」


「レナです!よろしくお願いしますね、ダクネスさん」


「ああ、よろしく頼むレナ。私の名はダクネス、クルセイダーを生業としている」


 彼女はとても落ち着いていて、品のある女性のようだ。言葉遣いもとても丁寧で見習いたいものだ。

 私が感心していると、レナが、


「それで、クリスさん?以前おっしゃっていた依頼したいことっていうのは何のことなんでしょうか?」


 レナが唇に人差し指を当て、小首を傾げる様にしてクリスに尋ねる。


「ああ、それのことね。実は......」


 クリスは先程私に話したようにレナの耳元でささやくようにして、今回の冒険の内容を告げた。


「なるほど。わかりました。私も微力ながら、お供させていただきます!クリスさんへの恩もありますし」


「恩?クリス、レナに何か助けてあげたのか?」


「ええ、私がついこの間この街に始めて来たときに何も分からず右往左往していた時に色々教えて頂いただけでなく、一文無しだった私に登録手数料や教会での仕事、食事などをご馳走になって下さいました!」


「それは大変だったのだな......。しかし、この街に来たときになぜ一文無しだったのだ?旅をするにも引っ越すにも多少は手持ちがあるものなのだが...」


 普通であればお金に余裕を持って旅立つものだ。見たところレナは金遣いが荒いようにも計画性が無いようにも思えん。道中で盗賊などに襲われたとしたら、女性であればそのまま連れていかれたり、最悪弄ばれて殺されたりなどもありえるのだが......。


「ま、まあ急に決まったことなので......。お金を用意する暇も無かったというか、なんというか......」


「いや、私も無理に聞くつもりはない、誰にでも聞かれたくないことや話したくないこともあるだろうからな」


「あ、ありがとうございます......」


 やはり彼女には何かしらの事情があるのだろうか。人の過去を無理に詮索する行いは避けるべきだし、これ以上は触れないでおこう。


「それじゃあ、気を取り直して、ダンジョン探索の話しなんだけれど。ダクネスが前衛、あたしが前衛兼中衛、レナは後方支援で回復魔法や支援魔法を掛けてくれるかな?あ、あとアンデットモンスターの時には主力として戦ってもらうけど」


「お任せ下さい!支援魔法も回復魔法も対魔魔法も私に任せて頂ければ!」


「よしっ!じゃあ、ダンジョン探索は朝一からが主流だし、今夜はダンジョンの入り口まで行ってキャンプしようか!」


「「おー!!」」





 いつものように張り切っているクリスの顔が少しこわばっているように見えたのは気のせいだろうか。

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