このすば!エピソード〜ダクネス〜

ペペロンチーノ

プロローグ

「ああ、もうなんなのだ!どうしてお父様は私に見合いの話ばかり持ってくるのだ!私は今冒険者だ!当分は結婚などしないぞ!」


「ら、ララティーナ...。そんなことを言わないでおくれ。私はお前が心配なのだ!貴族の娘が婚期を逃したりでもしたら...」


「う、う、うるさい!私は断じて結婚などせぬぞ!どうしてもというなら私を一対一で負かせる男でも連れて来るのだな!もしくは、外見はパッとせず、体型はひょろくても太っててもいい。私が一途に想っているのに、他の女に言い寄られたら鼻の下を伸ばす意思の弱いのがいいな。年中発情してそうな、スケベそうなのは必須条件だ!借金があれば申し分ないな!そして、働きもせずに酒ばかり飲んで...」


「ララティーナ、私が悪かった。頼むからそんなこと言わないでくれ。そんな男にお前を任せることは出来ない。(どうして、こんなことになったのだ?私が男手ひとつで育てたのがそんなにまずかったのか?どこで私は間違ってしまったのだ...)」


「ふむ、ならば私は冒険に行ってくるぞ。当分は家には帰らないからな!」


「ら、ララティーナ。けれど、お前は冒険者仲間などいたのか?」


 父の発言に私はビクッとし、


「そそそ、そんなこと無いぞ、お父様?ちゃんと仲間もい、いいいるからな?」


「(まだ出来ていなかったのか。この前、エリス教の教会で冒険者仲間が欲しいと祈っていたらしいが、このままずっと仲間が出来ずにそのうち諦めて結婚の話を受け入れてくれると助かるのだか...。なんというかこのまま一人でいさせるのもいささか可哀想だな...。)」


「気をつけて行ってくるんだぞ...」


「うむ」



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