第39話 ヴリドラ VS 英雄(ぼっち)
「皆さんの力でヴリドラを討ちましょう!」
「「「「おうっ!」」」」
「かかれェーーッ!!!」
走り出したクラスメイトたちは一斉にヴリドラを殺しに掛かるが、その堅すぎる鱗を前に全ての攻撃が弾かれてしまう。
「【
「【
俺とアラスも魔法を撃ち込むが、全く利いてるようには見えない。
「【
イズの魔法がヴリドラに直撃する。若干ダメージが入るものの、やはり致命打にはならない。
するとヴリドラが反撃に出る。ブレスを溜め込み、前方に目掛けて吐き出したのだ。
「ティア様ッ! 【
「光の加護よあれ! 【
フレイヤと息を揃えて防御魔法を使い、皆をヴリドラのブレスから守る。
だがこれではジリ貧だ。魔力が尽き次第、俺たちの死は確定する。
こんな時、英雄でも居てくれたら……
「……ん? 英雄?」
いるじゃん。超身近に。
「先生! 少し離れます!」
「は、はいっ! 了解ですっ!」
俺は現状をフレイヤに委ね、【転移】を発動させて家へと向かった。
「お父様、お母様! お力を貸してくださいっ!」
と言った頃には既に二人とも準備完了していた。
コイツら真剣なことになると行動するの速いよな。……今はどうでもいいか。
俺は二人を連れて再び【転移】し、学園へと戻った。
「お待たせしましたっ!」
学園に戻るとクレアがケガをしていたので、俺はヴリドラをエドワードとエレノアに任せてクレアの元まで駆け寄り、クレアを手当てする。
「痛ッ!」
「すぐに治しますので、ほんの少しだけ我慢してください」
回復魔法をかけるとクレアの傷口が徐々に塞がっていった。
「もう大丈夫ですよ」
「ティア、ありがと」
ケガが治り、調子が戻ったクレアは再びヴリドラを討伐するために前へと走り出した。
だが、多くの人が既に気絶しており、戦える人は俺やエドワードたちを含んでも7人。
つまり
俺はヴリドラを睨み、弱点はないのかと探っているとエドワードがヴリドラに突っ込む姿が見えた。
「【アクセルブースト】」
エレノアの声が聞こえた。その瞬間、エドワードの身体に付与魔法がかけられ、エドワードが光った。
えっ、こわっ……
『今言うこと?』
ごほん。失礼。
「観念しろッ!! インドラ!」
お父様、それ違う。それ違うドラゴンさんだから。名前間違えるとヴリドラさんが怒っちゃうからやめて?
『ふっ……貴様だけは絶対に殺すッ!!! この我が塵1つ残さず、綺麗に消し去ってくれるわッ!!』
ヴリドラがブレスを吐き出し、エドワードを仕留めに掛かる。
「名前ぐらいきちんとしてください」
「エレノア、サンキュ!」
エレノアがエドワードを守ってるのを確認した俺は安堵してため息を吐いた。
すると、アラスが俺の肩を掴み、話しかけてきた。
「ティア、頼みがあるんだ」
「はい? なんですか?」
その時のアラスの顔はまるで意志を固めたかのようなとても男らしい表情をしていた。
次回、
第40話 世界を裁けっ! 異世界人の力!
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