目立ちたいけど目立ちたくない
路傍のMOB
プロローグ
異世界転生チート付き。
よくある話で、男の子であれば誰もが想像した事が有るような……圧倒的力で敵をねじ伏せ、美少女達を周囲に囲ってあはんうふんする。
その力に伴う面倒事は作品によって対応が違うが、結局は面倒くさい事には変わりない。
だからこそ……、
「え、本当に良いの?」
「ああ」
「え……なら良いんだけど、最終確認するよ?本当に良いの?」
「ああ」
「エクストラスキルが【変幻自在Ⅹ】【偽装Ⅹ】【分身Ⅹ】、ユニークスキルが【空間魔法Ⅷ】【回復魔法Ⅷ】【並列意思Ⅷ】、スキルが【魔力制御Ⅴ】【身体制御Ⅴ】【表情制御Ⅴ】【思考拡張Ⅴ】……本当に良いの?大丈夫?」
「ああ」
「で……職業、怪盗」
「ああ」
「……」
「ああ」
「何も言ってないよ!?」
死んだ理由は全く覚えていないのだが、俺は気がついたら白い空間にいた。ありきたりな異世界転生前の”ちーと”を授ける空間、そんな所で俺が承った使命は、
それさえすれば、勇者になろうと魔王になろうと、人間を滅ぼそうと、何をしても良いと言われたのだが……俺が目指すのは目立たないハーレムだった。
人間を滅ぼしても良いから快適な世界を作り上げろと言われた時は流石に『こいつ頭湧いてんな』とは思ったが……、
「えーっと、頭大丈夫?」
「ああ」
「……勇者でも、賢者でも、魔王でも良いんだよ?」
「怪盗」
「うんうん、その熱意は分かってる。君だけの為に新しい職業を作ったんだからねっ!」
いずれ召喚される勇者達──この神によると俺の同級生らしい──になるべく長く世界に魂をばら撒いてもらう。その目的の為には彼等が充分に満足できる生活を送らなくてはいけない……らしい。
偶々活きが良いのが死んでくれて助かったよ!って言われた時は邪神か何かだと思わされたのだが……、
「……んー、まあいっか!じゃあ、言った事はしっかりやってね!じゃないと……後悔させるから!」
そして俺は……充分なチートを貰っている事を自覚しながら、混濁する意識に身を任せる事にした。
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