遊ぶ子供.1

 此処は街の外れの大きな空き地。土と砂の混ざった地面に、所々痩せた繁みが生え抜いている。不要になった建材の石や板が時折捨ててあるこの場所は、代々子供たちの遊び場となっている場所の一つであった。


「今日はきっとご馳走だよ!だって僕の誕生日だもん!」

そんな遊び場に自慢げな声が響き渡る。

「そっかあ、スフィヤの誕生日は今日だっけ」

「いいなあ。誕生日って年に1回だけど好きなものいっぱい食べさせてくれるもんね」

「何を頼んだの?スフィヤ」

子供たちが口々に羨ましがるが、妬んだりするようなことはない。あの店の従業員の子供たちはみんな等しく誕生日がきたら祝ってもらえることを、みんな知っているから。


「鳥の丸焼きって言っておいた」

「たまにしか食べさせて貰えないもんね」

「お肉かぁ。じゃあ今日はおやつあんまり食べないで夕食にお腹を空かせたほうが得かな?」

「ダメだよ。それじゃあスフィヤの分が減っちゃうじゃない」

「いいよ。みんなで食べても毎年残っちゃうんだから。それくらい大きいから大丈夫だよ。毎年余った分を燻製にするとか、大人たちが言ってるじゃないか。今年は僕も12歳になったから、きっといつもよりいっぱい作って貰えるかも!みんあでおやつ抜いて夕食に鳥肉いっぱい食べよう!」

そう言ってワアワアと騒ぐ子供たちはとても楽しそうである。そんな子供の集団に、1人の大人が近づいてきた。敏感なスフィヤがいち早く気づいて、その人物を見つめると、みんな話をやめて自然とその方向に視線を合わせた。

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