春雨と花冷え

晴天続きだった空は 一転

雨模様に変わった


満開に咲いていた桜の花も

春の風と雨粒にさらわれ

川面をピンクに染めていく


耳を傾ければ

カーラジオからは「花冷え」の声

春らしい響きにそっと和んだ


花びらが舞う景色の中

季節の確かな移り変わりを

感じながら


雨で一時ひととき遠ざかった

暖かさを恋しく思う


同じような日々が続くけれど

同じではないんだな

当たり前のことなのに

つい忘れてしまう


かと思えば 桜の木を見上げて

遠い昔を思い出すこともある


人間ひとって不思議で我が儘だ

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