カーテンの向こう側

ひたひた 柔らかい霧雨は

まるで世界を包む 色のないカーテン


その優しさを肌に感じながら

私は街をつれづれと歩く

空は薄暗くて 知っている場所も違って見えた


雨宿りできるところを探して滑り入る

馴染みのない喫茶店みたいに

新しい発見が待ち受けていそう


カラン 入店を告げるベルが鳴って

いらっしゃいませ 朗らかな声に招かれて

コポコポと沸く湯気の方へ進んでみれば


いつもは薄いカーテンの向こうに隠されている

未知の世界へと 飛び込んでいける気がした

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