第14話 怒り8
技術面でも、身の回りの対応の面でも、体形の面でも、すべてにおいて負けていると私は思った。そして、そう思うことが日に日に私を追い詰めていったのだった。
決定的だったのは、これだった。
Bが、私のことを察したのか、何か嫌なことをしてしまったのならごめん、でも言ってくれないと分からないから、嫌と感じたその時に言ってほしい、と言ってきたことがあった。
言われたのとは別の日、私は三人と話をしている中で嫌と感じた時があった。だから、それを言われるのは嫌だ、と言った。Bが言ったように。
すると三人は、すべて間に受けるのが悪い、と言ってきたのだった。それを聞いた私は言葉にできない、何か分からない気持ちにかられた。
私が悪い? 嫌だと思ったら言えって言ったのは誰なの?
そんな考えが頭をぐるぐるした。私は何も答えずに、ただこう心の中で思っていたのだった。
この人たちと分かり合うことは無理なんだって。
そして、それから、もう一つ、私の中には、こんな思いが生まれていた。
他で勝てないなら、私はあなた達に怒りで勝つ。
だから、もっと私をイライラさせてよ。
私はいつしか、イライラすることで、その人たちの悪口を言うことで、快感を、生きている意味を、喜びを感じるようになっていったのだった。
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