第12話 怒り7
その人と私は、最寄り駅が一緒で、一緒に帰っていた。帰りが遅く危ないという理由からだった。陸上について先輩なので、彼はたくさんアドバイスをしてくれ、寄ったスーパーでお菓子などを買ってくれたりとても優しかった。だからなおさら、彼のことを気持ち悪いといっても私には分からないし、そんなことを言ってほしくなかったのだった。
帰りだけでなく、私たちは土日に練習がある時でも朝一緒に行くことになった。くだらない話をしながら、私たちは学校まで歩いたのだった。
部活が終わって着替えていると、私は三人に話しかけられた。
「そういえば、今日、あいつと来てたよね?」
「ほんとに!」
「見た見た!」
あいつ? そう呼ぶのに違和感を感じながら見られていたんだ、と思ったが、だからといって別に何とも思わないが、三人は私のことを引いているような顔をした。まるで、よくあいつと一緒に来れるね、とでも言いたげだった。
「うん」
私はそれだけ言って無視をした。私は怒りを覚えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます