第12話 怒り7

その人と私は、最寄り駅が一緒で、一緒に帰っていた。帰りが遅く危ないという理由からだった。陸上について先輩なので、彼はたくさんアドバイスをしてくれ、寄ったスーパーでお菓子などを買ってくれたりとても優しかった。だからなおさら、彼のことを気持ち悪いといっても私には分からないし、そんなことを言ってほしくなかったのだった。


帰りだけでなく、私たちは土日に練習がある時でも朝一緒に行くことになった。くだらない話をしながら、私たちは学校まで歩いたのだった。


部活が終わって着替えていると、私は三人に話しかけられた。


「そういえば、今日、あいつと来てたよね?」

「ほんとに!」

「見た見た!」


あいつ? そう呼ぶのに違和感を感じながら見られていたんだ、と思ったが、だからといって別に何とも思わないが、三人は私のことを引いているような顔をした。まるで、よくあいつと一緒に来れるね、とでも言いたげだった。


「うん」


私はそれだけ言って無視をした。私は怒りを覚えた。



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