第80話 デートをした。③ (ver.早乙女華)
デート回最後です!
それではお楽しみください(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
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俺達は鬼怒川温泉へとやってきた。日光から比較的近い場所にある。川と山とホテルが圧巻の光景を生み出している。
ただ俺達はここで一泊して温泉に入るわけではない。
『ここの足湯カフェに来てみたかったんだよね〜』
そう、温泉を利用した足湯とカフェを組み合わせたおしゃれな所だ。
『凄いね、こんな所初めてきたよ。』
『私も!足湯に浸かりながらカフェでお茶出来るって何か良くない? 疲れもとれるし!』
俺達はそれぞれアイスコーヒーを注文して席へ向かった。
普段は会社ではパンツスタイルなので生足を見ることはない。ただ今日は足湯に入るためにズボンをまくった。そこから見える素足はとても細くて長く、それでいて毛穴が一切ないような綺麗な脚だった。俺は不覚にも少し見惚れてしまった……
『めちゃくちゃ気持ち良いね!癒される〜。』
『そ、そうだね。景色も綺麗だし。』
『うんうん。わざわざ来た甲斐があるよ! さっきからチラチラと下見てるけどどうしたの?』
『え!? いや〜、湯を見てるんだよ!』
『そっか、まあ良いや。ん〜、暖かいお湯に冷たいコーヒーってさらに美味しく感じる!』
チラチラと脚を見ていたのが危うくバレそうになった…… 気をつけよう。それにしても普段の早乙女さんとは違った姿を見れるのも良いなぁ。いつもは仕事で固いけど今日は柔らかい。
『そうだ!川下りもやってみない?』
『川下り?ラフティングの?』
『ん〜、それは服装的に厳しいから船頭さんがいる方!』
『確かに面白そう。ちょっと休んだら行こうか。』
『おっけー!じゃあそれまで会話楽しもっと!』
暫く俺達は他愛もないお喋りをした。会話はあまり途切れる事なく、お互い楽しく会話していた。そして英気を養えたので鬼怒川ライン下りへ向かった。
お金を払い、ライフジャケットを着て川岸まで降りた。
船頭さん2人と客28人の合計30人というとても大所帯で沈まないか少し心配だったが、全く問題ないらしい。
全員が乗り終えた所で出発した。
周りの渓谷は凄まじく、高い所で100メートルほどある。それに渓谷なので間近に切り立った岩肌があり大自然の中にいることを改めて認識させられた。
『凄いな!華、大丈夫か?』
『うん、めちゃくちゃ楽しい!あ、康太、もうすぐ急流だよ!』
『うおっ!』
俺は後ろの早乙女さんと話していたため、全く準備が出来ておらずバランスを崩してしまった。そして早乙女さんの太ももへ突っ込んでしまった。
『もう、康太ったら…… いくら私の太もも触りたいからって…… こんな所で恥ずかしいよ……』
早乙女さんってそんなキャラだった!? てか急いで離れないと……
『ごめんごめん…… 急流って気付いてなくて……
』
『あはは、冗談だよ!ほらほらあそこに滝があるよ。写真撮ろう!』
船頭さん達が巧みな船捌きをして急流を乗り越えた後、滝の間近までつけてくれた。
『康太もっと近寄って!はいちーず!』
セルカ棒は危ないので普通のスマホによる撮影になったが、上手く撮れていたみたいだ。
『うん、良い写真。ありがとね!』
『全然良いよ。川下り楽しいよ!』
『そうだね、自然の中だと癒されるね。』
そうして暫くすると川下りは終わった。早乙女さんの言った通り自然の中だと凄く気分がリフレッシュ出来る。
『いや〜、楽しかった!それじゃあそろそろ帰ろっか。』
『うん、そうだね。帰ろっか。』
俺達は日光と鬼怒川を満喫して家へ帰り始めた。帰りは夕方になっていたので渋滞に巻き込まれたが、7時過ぎには東京へ着いた。
ただ何故か早乙女さんは俺が住んでいるマンションでは無く、違う方向へ向かっているようだった。
そして着いたのは何故か武蔵小杉の住宅街だった。何故かそこで車を停めた。
『華、どうしてここに来るの……?』
『ん〜、ちょっと着いてきて……』
とりあえず指示に従ってついて行った。少し高級そうなアパートの前までやってきてオートロックを開けた。
『ここって……』
『そうよ、私の家…… 美川さんに渡して欲しいものがあるから着いてきて。』
そう言って早乙女さんは俺の手を引いて部屋まで連れて行った。
鍵を開けて部屋へ入ると、そこは凄く綺麗に整頓されたお洒落な部屋だった。ワンルームではなくて部屋もあるみたいだ。
『ちょっと入って来てくれる?』
『えっと、お邪魔します……』
『こっちの部屋にあるの。』
そう言って開けたのはベッドルームだった……そして俺は早乙女さんにベッドに押し倒された。そして早乙女さんは俺の身体に馬乗りになった。
『え、華…… どうしたの?』
『もう、私我慢出来ないの…… ごめんね、康太。』
早乙女さんは俺の口を塞ぐようにキスをして来た。俺は咄嗟の出来事で何が起こっているかわからなかった。しかも凄く濃厚なキスを長い間していたような気がする。そして顔を離したタイミングで俺は漸く自覚した。
『ちょっと…… 華、ダメだよ……』
『私、康太が欲しい…… 私、処女だよ…… ダメかな……』
早乙女さんは服を脱ぎ、上半身は下着姿となった。部屋は暗いが、その妖艶な身体は惜しげもなく俺を刺激してくる……
そしてその状態で抱きついてくるものだから俺の理性を惜しげもなく奪ってくる……
据え膳食わぬは男の恥だと言うので童貞の俺もとうとう……
っめそれだけはダメだ!付き合ってもない女性とこんな事は出来ない!それに彩と偽装結婚していて、それに長友さんも俺の事を好いていてくれているんだ。2人を悲しませるわけにはいかない。早乙女さんには悪いが……
『ごめん、華。俺は出来そうにないよ。』
『なんで…… 私に魅力がないから……?』
『違う…… 華は凄く魅力的な女性で、俺にとっては勿体ないくらいだよ。』
『だったら……』
『俺は周りの女性に対して不誠実な事はしたくないし、これは華にとっても不誠実だから。俺は将来を決めた人としたいと思う。だからここで華に手を出すのは失礼だと思うんだ……』
『…… 康太はやっぱり康太だね…… そういう所が好きなんだけどこれはちょっと残念だなぁ。』
早乙女さんは目に涙を浮かべ笑いながらそう言った。
『ごめんねこんな事して。それじゃあ康太の家まで帰ろうか……』
『うん。ごめんね、華…… 俺もきちんと答えを出すから。』
『うん!私待ってるから……』
そうして早乙女さんに服を着てもらい俺の家へ帰った。少し気まずかったけど、彼女の気持ちを考えると不安になるのもわかる……
そして地下駐車場へ車を返して、俺は早乙女さんを駅まで送る事にした。
『それじゃあね、華。また明日。』
『うん!それじゃあね…… それと一つだけ言いたい事あるの……』
『ん?なに?』
早乙女さんは少し背伸びして俺に小声で耳元に語りかけた。
『あんな事したけど…… 私処女なのは本当だからね……それじゃあバイバイ。』
早乙女さんは顔を赤くしたまま駅のホームへ消えて行った。
昨日の長友さんに続き、早乙女さんとのデートも忘れられないものになってしまった……
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