第65話 旅行した。①

 

 今回はほのぼの回です。


 それではお楽しみください(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾



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 朝10時頃、俺達は前に実家へ帰った時のように荷物を纏めて出発の準備をしていた。1泊2日のためお互いそこまで荷物は大きくなく、俺は事前に車に荷物を積みにいった。


 しかし家に戻った後、まだ彩が準備が終わっていなかった。


『そろそろ用意終わったか?』


『ちょっと待って!まだ服が決まらないの!』


 男だから余りわからないが、女の人は服をめちゃくちゃ持っている。それに彩は女優となると一般人の数倍になるからなかなか選べないんだろう。


 約束の時間から20分ほど過ぎた後ようやく部屋から出てきた。


 梅雨の季節で蒸し暑いため夏服に近い服装だった。白のロングスカートにピンクの薄いニットだ。それにサングラスをしている。スタイルが良いため服がさらに引き立っている。控えめに言っても素晴らしいの一言では片付けられない。


『どうかな……似合ってる…?』


『めちゃくちゃ似合ってるよ…… 彩ってやっぱり芸能人なんだなって改めて思う。』


『なんかそれ普段芸能人じゃないみたいって言ってない?』


『まあ、普段はポンコツだからさ。でも可愛い事には変わりないよ。』


『あ、ありがとう…… それじゃあ行こっか!』


 彩は頬を赤らめながら俺の手を引いて家を出ていった。


 そして車に乗り、箱根へ向けて出発した。1回経験しているとは言え、外車の運転はまだ慣れていない。そのため俺達が出会ったきっかけである事故なんか起こさないように、細心の注意を払いながら運転した。


 目的地は箱根だけど、泊まる旅館は未だに教えてもらっていない。


『ねえ、箱根のどこの旅行なんだ?』


『それは行ってからのお楽しみ!あ、そうだ!一回途中の海老名SAで休憩しようよ!色々あるみたいだし。』


『ああ、そうだな。お昼ご飯はそこでとろっか。』


『うん、初めてだからちょっと楽しみ!』


 普段芸能界で辛い思いをしている分、今日は彩の癒しになればそれで良い。今彩はパンフレットを見ながらウキウキとした気分の顔をしている。俺も彩の笑顔に癒されるし。


 日本一有名なSAと言っても過言ではない海老名SA。東名高速にあるが、もはや高速のSAという休憩所にとどまらず観光名所みたいになっている。


 俺達は1時間ほど運転した後、海老名SAで一旦休憩した。


 本当に色んな食べ物が売ってあり見るだけで食欲が湧いてくる。


『康太君!何食べよっか?』


『うーん、本当に色々あるな…… そうだ、少しずつ買っていって色んなものを食べようよ。』


『あ、それは良いね!あっちの横丁に行ってみようよ!』


 俺達は横丁で肉巻きおにぎりやえびえび焼きなど名物を食べていった。ただ何故か彩はあーんがしたいらしい……ので付き合ってあげた。人前でやると流石に恥ずかしいんだけどな……


『何かお菓子も食べたくなってきちゃったな…… ってあれ、めちゃくちゃ美味しそう!?』


 彩が指でさしたのはあのポテトチップスで有名な会社のお店だ。ここでは揚げたてのポテトチップスの特別味があるみたいだ。


『それじゃあ買うか。海老味で良いか?』


『うん、ありがとう!』


 海老名SAだけに海老を使ったグルメが多いこと。でも普段食べているポテトチップスの特別味が揚げたてで食べられるのは東京付近ではここだけだ。良い観光だと思う。


『めっちゃ美味いなこれ。』


『うん!最高!』


 俺達はSAでのグルメを堪能した。普段は自炊しているがこういうB級グルメも時々食べるとめちゃくちゃ美味しい。


 そして俺達はまた車で箱根へ向かった。旅館に入れるのは昼の15時からなのでそれまでは芦ノ湖で遊覧船に乗る事にした。


 俺達が乗るのは海賊船と呼ばれる船で面白い形をしていた。ここから箱根神社まで向かう。


 乗っている間、今日は晴れていた分景色がとても良い。緑の山々に綺麗な湖、それに雪は無くなっているが綺麗な成層火山である富士山。めちゃくちゃ絵になる。


 彩は色々な景色をスマホで写真を撮っていた。


『康太君!一緒に写真を撮ろうよ!』


『ああ、いいけど何処で撮るんだ?』


『やっぱり富士山バックで撮りたいかな。自撮りで撮るね。』


 彩はそう言って俺の腕に抱きつき、また片方の腕を伸ばして自撮りをした。


『ああ、いい写真が撮れた!あははっ、康太君の顔が面白い!』


 写真を見ると俺はめちゃくちゃ驚いて彩の顔を見ていた。一方の彩は少し照れたような顔で少し赤みを帯びている。


『ちょっとこの写真消してくれよ……恥ずかしいわ。』


『ダメ!これは記念に保存しておきます!それともう一枚は普通に撮るね。』


 何か俺だけされるのは癪なので少しやり返そうと思った。セクハラをするのはよくないけど、まあ風呂に一緒に入った仲ではあるし大丈夫だろう。


『今度は俺が自分のスマホで撮るよ、俺の方が腕長いし。後でRINEで送るから。』


『ありがとう!それじゃあお願い!』


 俺はカウントダウンし始めた時、片方の腕を伸ばして彩の肩を抱き寄せた。その瞬間にシャッターを押した。


 彩は驚いた表情で少し間抜けな感じがした。これもこれで可愛いな……


『ちょっと!急にされると心臓に悪いよ……』


『悪い悪い…… ちょっと仕返しをしたくなって。でも彩いい表情してるよ。』


『えっ…… ちょっとこんな表情見せられないよ…… 今すぐ消して!』


『ダメだよ。これは保存しておくから。』


『誰にも見せないでよ……』


 俺達は周りの視線を集めてしまった…… 一部の人はただのバカップルだと思っているようだが、その中で数人彩に気がついた人が居たみたいだ。


 ただその人達も俺達がプライベートで来ている事を分かっている為話しかけては来なかった。良いファンだと思う。


 そうして俺達は箱根神社の近くで海賊船を降りた。そして箱根神社へ向かった。



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