第98話 かき氷

かき氷のお店に友人を誘ったら、嫌がられた。

毎晩夢で食べていると。

雪山に苺シロップをかけて、スプーンで掬って、口元に運ぶ無数の手。

覚めるまで延々と続く。

だから最近は寝てないと笑った。


数日後、友人は亡くなった。

ボタンが弾け飛ぶほど膨らんだお腹には、霜が降りていたという。

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