第83話 神社

この神社に入ってはいけない。

幼い頃からきつく言われていた。

色を失った祖母の右目が怖くて、

言いつけを守り続けた。


でも、鳥居の陰に猫がいたから。

一年前にいなくなった猫がいたから。

つい一歩踏み出してしまった。


「遅かったね!次は左目だよ」


背中で嬉しそうな子供の声がした。

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