第55話 妖精

妖精の小瓶を手に入れた。

何も入っていないように見えるが、振ると、りん、と鈴のような音がする不思議な小瓶だ。

癒されるだろう?


得意気な友人に、私はひきつった笑みを返した。

何も入っていない?

見えないのか?

彼が小瓶を振る度に、壁に叩きつけられて、りん、と鳴いているあれが。

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