第54話 文通

子供の頃、父の書斎で文通をしていた。

古い革表紙の本に手紙を挟んでおくと、次の日には返事が挟まっている。

少し年上の子供っぽい筆跡。

日本語なのに読めなかった。

父なら読めるだろうと見せたら、血相を変えて燃やしてしまった。

あれから僕の書く文章はたまに、だにもなれいめよんだ。

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