第22話 踏切

踏切の真ん中に女がいる。

電車が通り過ぎてもそこにいる。

知らぬふりで通り過ぎようとして、

「見えてるんでしょ?」

目と鼻の先に血塗れの顔があった。

「近ァっ!!」

反射的に叫んだ後、恥ずかしくて小走りで渡った。

振り向くと、

「何あいつ」

みたいな顔をしていた。

ちょっと傷付いた。

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