〜その後〜

白命と生き残りの全員の思いを込めて

世界をリセットすることを告げた

その瞬間だった、世界は崩壊を加速させ一瞬にして世界に終わりを告げた


結果として世界は全てを崩壊しきり

生命が誕生する前の火の惑星になった

文字通りリセットされたとも言えるだろう

白命含める彼らは結局、生きる全ての生命や、文明と一緒に消え去っていった


そしてまた何百億年と言う長い時間が過ぎ

新たな生命がまた世界を回し始めた


「これで良かったのだろうか」

そう告げる半透明の白命がそこにはいた


その声に少年〝テロ〟が横で答える

「僕と同じように世界が消えるあの中で

崩壊するあの中で

君は心からこの悲劇を繰り返さないために

同じ過ちが起きないよう監視して止める役をしたいと願った


結果、半永久的な霊的存在になった君の選択が、もう答えだと僕は思うよ」

それを聞いた白命はそのまま黙り込んだ


それから少しして〝テロ〟に白命は聞いた

「僕がした選択は世界を救えたのかな」

その白命の質問にテロは

「それは分からない

ただ言えるのは崩壊もリセットも変わらない、無に変わって結局こうして世界にはまた新たな生命が生まれ回り出す


だから多分また世界は同じ過ちを繰り返すかもしれない

僕はそれを止められなかった…


でも今度は君がいる

それに世界に今いる生命は、あの時の組織みんなの生き残った魂達から生まれた、光を持った人たちだ


僕が生み出してしまった、君が目覚めさせてしまった呪いの力も多分聞かないだろう


だから君のした選択は少なからず僕にとっては、救いになってるよ


それに多分今度の世界は大丈夫だよ

全ての人の心に人を信じる心と、本能に刻まれた信じない心があるから、今の世界は、そこにいる人たちはしっかりと物事を見極められる」

と穏やかな雰囲気で告げる


それから少し沈黙を挟んで再び口を開く

「だから今回の世界は回り続けていける

それでももし世界が同じ過ちを繰り返すなら、また世界は終わるだけだよ、何度でも…」

悲しそうな表情でそれを告げる


そんなテロに白命は

「今回は大丈夫だよ、君もいったよね

僕がいる、僕がついている、だから大丈夫」

そう何度も言った


それからしばらく世界の様子を見ていたが

今回はテロと白命の2人で頑張った甲斐があり

あの力は生まれる事はなかった


しかしその世界は崩壊を始めた

力は生まれなかったが、長い年月をかけてとてもゆっくりと、人は崩壊に道を進めていたのだ

結果として力が生まれなくても

その世界はリセットされた


それからまた新しい世界が生まれるたび

時にはテロの力と似たものの影響で崩壊し

時には時間をかけて朽ち果てて崩壊した


その繰り返される運命はあの力がなくとも

何度も何度も繰り返されたのだった


それからまた何度か繰り返す中で

どうにかあの力だけを生み出せないようにした


しかし世界はそれでも崩壊を繰り返した


結果テロと白命はそれを何度も見てきた

2人はそれをどうにかしようと、あらゆる力を尽くした時もあった

しかし結局世界は同じ道を辿り崩壊を始めた


〝全ての存在は必ず無へと戻る〟

それがこの世界が出来た時から変わらない運命なのだろう


なんども繰り返される中で2人はその答えに辿り着くのだった

その答えを認めた時、2人はひどく絶望した


そして再び、2人の意思とは関係なく

世界に生きるその人の手により

世界は崩壊し、星は無へと帰っていくのだった


何度繰り返されただろう

もう何回めの世界だろうか

そんな世界もまた崩壊し始める

そこにはもうテロも白命もいなかった


2人の魂は力をなくし、いつのまにか輪廻に飲み込まれたのだった


そんな2人は最後の時に話をした

「僕らもそろそろ消えてしまうね

意識がもう薄れてきてるよ」

そんな事を呟く白命に

「僕もそろそろ限界にきてるよ」

とテロも答えた


そして等々テロが消えそうな時、こう白命に告げた

「僕はもう消えるだろう

この消えた後は輪廻に戻り、あの見てきた悲しい運命を繰り返す一つの存在となる

とても残酷な話だよね…


でもこうして消えそうになって

初めて分かった事がある

僕の生み出した力についてだ」


それを聞いていた白命は聞いた

「力について分かったこと、それって何だい」

するとテロは口を開き言った

「僕の生み出した力は多分世界の鍵だ

世界を変えるほどのとびらを開く為の


でもそんな大きな力なんて

人は扱うことはできない

結果暴走させて崩壊に導く

あれは運命そのものだから


そう思うようになった

でもそう考えると運命の流れを捻じ曲げるとびらを開ける、その鍵は使わないに限るのだろう


たとえ鍵で開けても大きな力を暴走させる

暴走させて運命を加速させる

結局は終着点に早くたどり着く


僕が生み出したのはそう言った

世界を変える〝世界の鍵〟何だと思う」

そして言い終えたテロはその場で光となり消えていった


それを聞いて、白命はおじいちゃんの言っていた言葉を思い出し呟く

「そうか、おじいちゃんの言っていた世界の鍵の意味は〝世界を変える扉を開ける鍵〟つまりは世界を変えられる〝世界の鍵〟と言う意味だったんだ」

そしてそれを口に出して言った事で気づいた


世界すら変えられる大きな力〝世界の鍵〟

それはたとえ誰だろうと使えない

もしかしたらおじいちゃんは

それを伝えたかったのでは無いかと

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る