天然石と学園島のジェム・トゥギャザー
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第1話 学園島
学園島の人口の三割はタクリカンだ。
正式名称、オー・ショー・ドゥ・タクリカ。西ヨーロッパにあるこの小さな島国は、この国から遥か六千マイル離れた場所に位置する。
そんな遠くの外国人が何故こんな極東の小さな国に集まるかというと、学園島という人工島に秘密があった。
表向きは学校などの教育機関が集まった場所となっているが、ここの殆どの学校は能力者を開花させる為の施設となっている。
そして、オー・ショー・ドゥ・タクリカに住まう人間の9割は、何らかの能力を持って生まれる不思議な島なのだ。
しかし、我が国の治安の良さと教育機関の優秀さに惹かれたタクリカンは、次々と学園島へと移住していったのだ。
授業が終わると能力持ちの生徒は実験施設、そうでない方々は部活や委員会。そんな学園生活を送る人が殆どだけど、僕だけはバイトという名の奉仕活動に励む時間だった。
大体の能力者は国から支援を受けているから、バイトなんてする必要が無い。けれど僕の持っている能力は、どうしてもタクリカンにとって必要なものなのだ。
終業の音が鳴ると教室に居た生徒たちは、それぞれの想いを抱えながら思い思いの場所へと行動していく。教科書とノート代わりのタブレットの電源を落とすと、僕は大きく伸びをする。次いでに欠伸も出てしまった。
「なんや、眠そうやな」
声をかけてきた見るからに馬鹿そうな面をしている馬鹿は、クラスで一番運動能力の高く、脳みその足らない無能力者。能力が開花して無い人間は入学試験が難しいというが、こいつに至ってはスポーツ枠で入学を決めた馬鹿だ。
「誰のせいだと思ってる?」
そして僕はこの馬鹿と同室で、昨日もカードゲームに夜遅くまで付き合わされたのだ。
「そうは言うても、お前さんも熱中しとったし」
この馬鹿程では無いが、僕もまぁまぁ負けず嫌いだ。昨晩は互いが勝ち逃げを赦さなかった結果、二人仲良くソファの上で寝落ちしてしまった。今日こそは絶対に馬鹿に馬鹿勝ちして、早く寝るぞと心に決めた。
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