第4節、事故の跡

少年はまるで見てきたかのように話を進めた

「実はいろんな人から聞いたんだけど

君たちを引いた車の人、引いた事を無かったことにして逃げたんだって

でもその時目の前に1匹の白猫が飛び出して来て、気付いた時には何故かハンドルを大きくきり、ガードレールにぶつかったそうだよ

ドライバーはその衝撃で即死だったらしいけど、君とあの子はその後病院にかかってきた匿名の電話により、どうにか命を取り留めたらしいよ。それに結構危なかったって看護師がつぶやいていたよ」

その話を聞き終えると君は

「そうだったのか」と呟き頭を下に向けた

「あの子はどうだったのかな」と問いかけると

「あの子は君より目が覚めるのも早かったし、目が覚めてからはずっと君のそばにいたから大丈夫だよ」と言った

「えっ?見てたの」と言いながら顔を上げると

そこにいたはずの少年は居なくなっていた


それから数日後君は退院する事になった

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